令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 問181 解説 問18(a) 問18
問18(a) NAND IC を用いたパルス回路について、次の(a)及び(b)の問いに答えよ。ただし、高電位を「1」,低電位を「0」と表すことにする。pチャネル及びnチャネル MOSFET を用いて構成された図1の回路と真理値表が同一となるものを、図2のNAND回路の接続(イ),(ロ),(ハ)から選び、全て列挙したものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (イ)
- (ロ)
- (ハ)
- (イ),(ロ)
- (イ),(ハ) ✓ 正答
解説
図1の回路はpチャネルMOSFETを並列に、nチャネルMOSFETを直列に接続したCMOS構成であり、2つの入力がともに1のときにのみ出力が0となるNAND動作をするため、これと真理値表が一致するのは、NOT回路として動作する(イ)と(ハ)です。
CMOSによる論理回路の動作
MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)を用いた論理回路では、入力電圧の状態によってスイッチの開閉が切り替わります。pチャネルMOSFETはゲートに0(低電位)が入力されると導通し、電源側と出力側を接続します。逆に、nチャネルMOSFETはゲートに1(高電位)が入力されると導通し、出力側と接地側を接続します。
NAND回路は、2つの入力がともに1である場合にのみ、直列接続されたnチャネルMOSFETがすべて導通して出力が0(接地)となり、それ以外の場合は並列接続されたいずれかのpチャネルMOSFETが導通して出力が1(電源)となります。この動作原理に基づき、論理式 が成立します。
回路構成による論理判断
図2の各接続構成において、どのような論理演算が行われているかを分析します。
(イ)の接続を確認する NANDの2つの入力端子を共通に接続し、そこを1つの入力端子として用いています。入力が0のとき、出力はNANDの真理値表に基づき1となり、入力が1のとき、出力は0となります。これはNOT(反転)回路としての動作です。
(ロ)の接続を確認する NANDの一方の入力が0に固定されています。NANDの性質上、入力の少なくとも一方が0であれば、出力は常に1となります。これは論理演算を行わず、出力を常に高電位に保つ接続です。
(ハ)の接続を確認する NANDの一方の入力が1に固定されています。入力が0のとき、出力は1となり、入力が1のとき、出力は0となります。これは(イ)と同様に、信号を反転させるNOT回路として機能します。
図1の構成と図2の各接続における入出力の変化を重ねてみると、NOT回路として論理を反転させる役割を果たす箇所が浮かび上がってきます。