令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 問20 解説 問2 問2
問2
図のように, 真空中の3m離れた2点A, Bにそれぞれ3×10^-7 Cの正の点電荷がある。A点とB点とを結ぶ線分上のA点から1m離れたP点にQ[C]の正の点電荷を置いたとき, その点電荷にB点の方向に5×10^-3 Nの力が働いた。この点電荷Qの値[C]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, 真空中の誘電率をε0=8.85×10^-12 F/mとする。
- 1.2×10^-9
- 1.8×10^-8
- 2.5×10^-6 ✓ 正答
- 4.4×10^-5
- 7.3×10^-5
解説
点Aと点Bにある正の電荷が点Pに作る電界の強さをそれぞれ算出し、その差分と点電荷Qに働く力の関係から計算すると、Qの値は2.5×10^-6 [C]となります。
電界と点電荷に働く力
ある点に置かれた電荷が受ける力は、その周囲に存在する電荷によって生じる電界の強さと、置かれた電荷の大きさの積で決まります。これをクーロンの法則の応用として捉えます。
点電荷 q から距離 r だけ離れた点に生じる電界の強さ E は、E=4πϵ0r2q [V/m] で表されます。ここで ϵ0 は真空の誘電率です。複数の電荷が存在する場合、ある地点の電界は各電荷が作る電界をベクトルとして合成したものとなります。さらに、この場所に電荷 Q を置いたとき、その電荷が受ける力 F は F=Q×E [N] となります。正の電荷 Q は電界の向きと同じ方向に力を受けます。
電界の合成と電荷の算出
A点およびB点の電荷を q=3×10−7 [C] とし、P点における合成電界を求め、そこから電荷 Q を特定する手順は以下の通りです。
- A点からの距離 rA=1 [m]、B点からの距離 rB=2 [m] であるため、それぞれの電荷がP点に作る電界の大きさ EA と EB を個別に算出します。
EA=4πϵ0×12q
EB=4πϵ0×22q=4πϵ0×4q
- A点とB点の電荷は共に正であり、P点は両者の中間にあります。A点からの電界はB点方向(右向き)へ、B点からの電界はA点方向(左向き)へ向かいます。B点方向(右向き)に力が働いていることから、正味の電界 E は EA から EB を差し引いた大きさとなります。
E=EA−EB=4πϵ0q(1−41)=4πϵ0q×43
- クーロン定数 k=4πϵ01≈9.0×109 [N・m^2/C^2] を用いて具体的な電界 E を求めます。
E=9.0×109×3×10−7×43=2025 [V/m]
- 力 F=Q×E より、Q=EF として電荷 Q を算出します。
Q=20255×10−3≈2.47×10−6 [C]
図に示された電荷の配置と距離の比を重ねてみると、各電荷がP点に及ぼす電界の強さの偏りと、そこから受ける力の方向が見えてきます。
参考リンク
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