第三種電気主任技術者試験 / 令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 / 各問題解説 / 問30
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令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 問30 解説 問3 問3

設問図

問3 巻数1000のコイルに直流電流0.2Aを流したとき, 6×10^-4 Wbの磁束を発生した。この場合, コイルの自己インダクタンス[H]の値として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, コイルの漏れ磁束は無視できるものとする。

  1. 1
  2. 2
  3. 3 ✓ 正答
  4. 4
  5. 5

解説

巻数1000のコイルに0.2Aの電流を流した際に生じる磁束6×10^-4 Wbから自己インダクタンスを求めると、その値は選択肢(3)の3Hとなります。

自己インダクタンスの定義と関係式

コイルに電流を流すと、そのコイル自身が作る磁界によって磁束が発生します。このとき、電流の大きさとコイルが鎖交する磁束(全磁束)の間には比例関係が成り立ちます。この比例定数を自己インダクタンスと呼び、単位はヘンリー[H]で表されます。

コイルの巻数を NN、電流を II [A]、1巻あたりの磁束を Φ\Phi [Wb] としたとき、コイル全体と鎖交する磁束の総和(鎖交磁束数)は NΦN\Phi [Wb] となります。自己インダクタンス LL [H] を用いた関係式は以下の通りです。

L=NΦIL = \frac{N\Phi}{I}

この式は、コイルに電流が流れた際にどれだけ大きな鎖交磁束を生み出せるか、というコイルの性質を示しています。漏れ磁束が無視できるという条件は、発生した磁束のすべてがコイルのすべての巻数と確実に鎖交していることを意味しており、上記の式を直接適用できることを保証します。

自己インダクタンスの算出手順

与えられた条件を関係式に当てはめて計算を進めます。

  1. コイルの物理量を整理する 問題文より、巻数 N=1000N = 1000、電流 I=0.2I = 0.2 [A]、磁束 Φ=6×10−4\Phi = 6 \times 10^{-4} [Wb] です。

  2. 鎖交磁束数を計算する コイル全体と鎖交する磁束 NΦN\Phi を求めます。 NΦ=1000×6×10−4=0.6N\Phi = 1000 \times 6 \times 10^{-4} = 0.6 [Wb]

  3. 自己インダクタンスを導出する 算出された鎖交磁束数 0.60.6 [Wb] を電流 0.20.2 [A] で割ります。 L=0.60.2=3L = \frac{0.6}{0.2} = 3 [H]

この手順で計算することで、電流の変化に対してコイルがどれほどの鎖交磁束を保持できるかという特性値が導かれます。

コイルの巻数と、流し込んだ電流が生み出す磁束の大きさを重ねてみると、電流が磁気的なエネルギーとして蓄えられるコイル内部の様子が見えてきます。

参考リンク

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