令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 問30 解説 問3 問3
問3 「電気設備技術基準」では,電気の供給のための低圧電線路の絶縁性能について,次のように規定している。低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は,(ア)に対する漏えい電流が(イ)の(ウ)分の1を超えないようにしなければならない。上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1) 使用電圧,最大供給電流,2000 ✓ 正答
- (2) 最大使用電圧,供給電流,2000
- (3) 使用電圧,使用電流,1000
- (4) 対地電圧,最大供給電流,1000
- (5) 対地電圧,使用電流,2000
解説
電気設備技術基準の解釈第12条に基づき、低圧電線路の絶縁性能は使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の2000分の1を超えないように規定されているため、正解は(1)となります。
低圧電線路の絶縁性能の考え方
電気設備技術基準では、安全を確保するために電路の絶縁性能について具体的な数値を定めています。ここでの目的は、電路から大地、あるいは電線相互間に流れる微小な電流(漏えい電流)を一定値以下に抑えることで、感電や火災などの事故を未然に防ぐことです。
電路には常に「使用電圧」がかかっており、完全に電気を遮断することは物理的に不可能です。そのため、絶縁性能を維持する基準として、「電路に流れる電流に対して、絶縁不良によって逃げていく電流(漏えい電流)をどの程度まで許容できるか」という考え方が採用されています。具体的には、その電路の負荷として想定される最大の電流(最大供給電流)を基準とし、それに対する比率で上限を定めています。
絶縁性能基準の判断ステップ
設問の規定に基づき、各項目を以下のように特定します。
- 基準となる電圧を確認します。絶縁性能を評価する対象は、その電路にかかっている電圧であるため、(ア)には「使用電圧」が当てはまります。
- 許容される漏えい電流の基準となる電流量を特定します。供給側の設備がどれだけの電流を流せるように設計されているかを示す「最大供給電流」を基準とするのが妥当であり、(イ)には「最大供給電流」が当てはまります。
- 安全を確保するための比率を確認します。電気設備技術基準の解釈では、余裕を持った安全な数値として「2000分の1」が規定されているため、(ウ)には「2000」が当てはまります。
これらの組み合わせにより、選択肢(1)が導かれます。他の選択肢にある「対地電圧」や「使用電流」は、絶縁の劣化診断などで補助的に使われることはありますが、この条文における基本規定の基準値には含まれません。
最大供給電流の数値と、規定の分母である2000という数字の並びを見つめ直すと、電気設備の安全を守るための厳格な制限値が浮かび上がってきます。