令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 問40 解説 問4 問4
問4 次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における,アークを生じる器具の施設に関する記述である。高圧用又は特別高圧用の開閉器,遮断器又は避雷器その他これらに類する器具(以下「開閉器等」という。)であって,動作時にアークを生じるものは,次のいずれかにより施設すること。a) 耐火性のものでアークを生じる部分を囲むことにより,木製の壁又は天井その他の(ア)から隔離すること。b) 木製の壁又は天井その他の(ア)との離隔距離を,下表に規定する値以上とすること。なお,表中の(イ)及び(ウ)は離隔距離(m)である。上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1) 可燃性のもの, 0.5, 1
- (2) 造営物, 0.5, 1
- (3) 可燃性のもの, 1, 2 ✓ 正答
- (4) 造営物, 1, 2
- (5) 造営物, 2, 3
解説
高圧又は特別高圧の開閉器等において、動作時に発生するアークが周囲に引火する事故を防止するため、空白(ア)には可燃性のものが該当し、離隔距離(イ)は1m、(ウ)は2mと定められています。
アークを生じる器具の施設基準
電気設備技術基準の解釈第172条では、高圧や特別高圧の開閉器、遮断器、避雷器のように、開閉動作時に高いエネルギーを持つアーク(火花放電)を発生させる設備について、周囲の構造物に対する安全規定を設けています。アークは非常に高温であるため、燃えやすい材質の壁や天井と近接していると火災を引き起こす恐れがあります。そのため、これらの器具は周囲の「可燃性のもの」から適切に隔離されるか、一定以上の距離を保って配置しなければなりません。
離隔距離の規定
離隔距離は、電圧階級に応じてアークの飛散範囲を考慮して決定されています。
空白(ア)の判定 対象となるのは「木製の壁又は天井その他の……」と記述されていることから、それ自体が燃える性質を持つ「可燃性のもの」が適切です。「造営物」という用語は建物や工作物全体を指す広義の言葉であり、不燃性材料(コンクリートや鋼材など)も含まれてしまうため、この規定の目的である火災予防の観点から「可燃性のもの」が正当な根拠となります。
空白(イ)と(ウ)の判定 表の規定に基づき、離隔距離を決定します。 高圧(7000V以下)の器具については、最低限の安全距離として(イ)に1mが割り当てられます。 一方、特別高圧(7000V超)の場合、アークのエネルギーがより大きくなるため、離隔距離は(ウ)の2mまで拡大されます。ただし、特別高圧であっても35000V以下で、かつアークの方向や長さを制限する遮蔽物が設けられている場合に限り、安全性が確保できるものとして高圧と同じ1mまで短縮可能です。
開閉器等の配置図や電圧の区分表と照らし合わせると、電圧が上がるにつれて必要となる安全距離が段階的に伸びていく様子が見えてきます。