令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 問50 解説 問5 問5
問5 次の文章は,「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令」における,風車を支持する工作物に関する記述である。a) 風車を支持する工作物は,自重,積載荷重,(ア) 及び風圧並びに地震その他の振動及び(イ) に対して構造上安全でなければならない。b) 発電用風力設備が小規模発電設備である場合には,風車を支持する工作物に取扱者以外の者が容易に(ウ) ことができないように適切な措置を講じること。上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1) 飛来物, 衝撃, 登る
- (2) 積雪, 腐食, 接近する
- (3) 飛来物, 衝撃, 接近する
- (4) 積雪, 衝撃, 登る ✓ 正答
- (5) 飛来物, 腐食, 接近する
解説
発電用風力設備を支持する工作物は、自重や風圧だけでなく、積雪や衝撃といった外力に対しても構造上の安全性が求められるため、(ア)には積雪、(イ)には衝撃が入り、また、小規模発電設備では無関係な人が登ることを防ぐ措置が必要となるため(ウ)には登るが入ります。
風力発電設備の構造に関する技術基準
風力発電設備は屋外の過酷な環境に設置されるため、「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令」では、その支持物に対して、想定されるあらゆる荷重への耐力を規定しています。支持物は自重のような恒久的な荷重だけでなく、季節や突発的な事象による負荷にも耐えなければなりません。構造計算においては、それぞれの荷重が単独あるいは組み合わさった状態で、支持物が破壊や著しい変形を起こさないことを確認する必要があります。
また、電気設備全般の共通概念として、設備に接近する人への安全確保が重要です。特に風力発電設備のタワー部分は、外見上はしごのように見える構造物も多く、一般の人が興味本位で登ってしまうことによる転落事故や感電事故を防ぐための防護措置が求められます。
技術基準の要件に基づく判断
- (ア)の空欄については、寒冷地における荷重を考慮する必要があります。支持物には、自重や風圧の他に、冬期にタワーやブレードに付着・堆積した雪の重みが加わります。この積雪による荷重が構造の安定性に大きな影響を及ぼすため、技術基準上、積雪は考慮すべき主要な外力として明記されています。
- (イ)の空欄については、構造物に加わる物理的な勢力を検討します。地震等の振動に並んで考慮すべきものとして、何らかの物体がぶつかった際の衝撃力が挙げられます。風車のような大型設備においては、周辺環境からの意図せぬ衝突や、設備の運転に伴う振動的な影響を含め、衝撃に対して十分な強度を備えておく必要があります。
- (ウ)の空欄については、人への安全対策を検討します。小規模発電設備であっても、周囲に人が立ち入る可能性があれば、設備に容易に登れないような物理的な工夫(有刺鉄線や登攀防止装置の設置など)が必要です。したがって、文脈上「登る」という行為を制限することが正当と判断されます。
雪の付着状況やタワーの形状を重ねてみると、構造物全体にかかる荷重と、人の立ち入りを防ぐための視覚的な障壁の重要性が見えてきます。