令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問151 解説 問15(a) 問15
問15(a) 三相誘導電動機について、次の(a)及び(b)に答えよ。一次側に換算した二次巻線の抵抗r2'と滑りsの比r2'/sが、他の定数(一次巻線の抵抗r1、一次巻線のリアクタンスx1、一次側に換算した二次巻線のリアクタンスx2')に比べて十分に大きくなるように設計された誘導電動機がある。この電動機を電圧Vの電源に接続して運転したとき、この電動機のトルクTと滑りs、電圧Vの関係を表す近似式として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、kは定数である。
- T = k / Vs
- T = k / V^2s
- T = kV^2 / s
- T = kV^2s ✓ 正答
- T = kVs
解説
三相誘導電動機のトルクは、r2'/sが他の定数に比べて十分に大きいという条件のもとで、電圧の2乗および滑りに比例するため、T = kV^2sが導かれます。
誘導電動機のトルク式と近似条件
誘導電動機の発生トルクTは、一次側に換算したL型等価回路を用いて、次の一般式で表されます。
ここで、Vは電源電圧、は同期角速度、r1は一次抵抗、x1とx2'は一次および二次側(換算)の漏れリアクタンス、r2'は二次抵抗(換算)、sは滑りです。
この式において、分母にある括弧の中身に着目します。条件として与えられた「r2'/sが他の定数(r1, x1, x2')に比べて十分に大きい」という状況では、(r1 + r2'/s) はほぼ (r2'/s) とみなせ、リアクタンス成分 (x1 + x2') は無視できるほど小さくなります。
トルクと電圧・滑りの関係性
この近似条件を適用して、式を簡略化する手順を追います。
分母の近似 分母の において、r2'/s が支配的となるため、 に近似します。
式の整理 近似した式は となります。これを整理すると、 となります。
比例関係の抽出 整理された式は となります。ここで、3、、r2'は電動機の定数であるため、これらをひとまとめにして定数kとおくと、 という関係が成り立ちます。
この結果から、電動機のトルクは供給される電圧の2乗に比例し、かつ滑りにも比例することがわかります。この近似式における各物理量の影響度を、等価回路の抵抗分とリアクタンス分のバランスと重ねてみると、トルクがどのように変動するのかその挙動が見えてきます。