令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問162 解説 問16(b) 問16
問16(b) 図のように他励直流機を直流チョッパで駆動する。電源電圧はE=200Vで一定とし、直流機の電機子電圧をVとする。IGBT Q1及びQ2をオンオフ動作させるときのスイッチング周波数は500Hzであるとする。なお、本問では直流機の定常状態だけを扱うものとする。Q1をオフしてQ2をオンオフ制御することで、電機子電流の向きを(a)の場合と反対にし、直流機に発電動作(回生制動)をさせることができる。この制御において、スイッチングの1周期の間でQ2がオンになっている時間が0.4msのとき、この直流機の電機子電圧Vの値[V]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1000
- 250
- 200
- 160 ✓ 正答
- 40
解説
電源電圧E=200Vにおいて、スイッチング周期Tに対するQ2のオン時間Tonの比率から求められる平均電圧V=E×(1-Ton/T)の関係式に基づき、Ton=0.4ms、T=2msを代入すると、電機子電圧Vは160Vとなります。
直流チョッパにおける電圧制御の仕組み
直流チョッパは、スイッチング素子(この場合はIGBT)のオン・オフを高速で切り替えることで、直流電圧を制御する装置です。本問のように、IGBT Q1とQ2を組み合わせて使用する場合、負荷側には平滑リアクトルが接続されており、電流を連続的に流そうとする性質が働きます。
回生制動時の制御では、Q2をオンにすることで直流機の電機子から電流を引き出し、平滑リアクトルにエネルギーを蓄えます。続いてQ2をオフにすると、蓄えられたエネルギーがダイオードを通じて電源E側へと放出されます。この「蓄積」と「放出」のサイクルを繰り返すことで、電源電圧Eよりも低い、あるいは高い電圧を直流機の端子に印加することが可能です。ここでの平均電圧は、1周期のうち電源側へエネルギーを供給している時間(Q2がオフの時間)の割合によって決定されます。
電機子電圧の算出
与えられた条件から、以下のステップで電圧Vを求めます。
スイッチング周期Tを計算する 周波数f=500Hzが与えられているため、1周期の時間Tは、T = 1 / f = 1 / 500 = 0.002秒となります。ミリ秒単位に換算すると、T = 2msです。
Q2がオフである時間の割合を確認する 1周期のうち、Q2がオンになっている時間がTon=0.4msであるため、Q2がオフになっている時間は (T - Ton) = 2ms - 0.4ms = 1.6msです。チョッパの出力側から見て、電源側に電流が戻る(回生する)のはこのオフ期間となります。
回生動作時の電圧Vを算出する 平均電圧Vは、電源電圧Eに対してオフ時間の割合を掛けることで求められます。 V = E × (T - Ton) / T = 200 × (1.6 / 2) = 200 × 0.8 = 160V
電源電圧とスイッチング周期の中で、Q2がオンの期間が占める割合を眺めてみると、電機子へと向かう電圧の平均的な高さが見えてきます。