令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問20 解説 問2 問2
問2 界磁に永久磁石を用いた小形直流電動機があり、電源電圧は定格の12V、回転を始める前の静止状態における始動電流は4A、定格回転数における定格電流は1Aである。定格運転時の効率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、ブラシによる電圧降下及び電機子反作用は無視できるものとし、損失は電機子巻線による銅損しか存在しないものとする。
- 80
- 75 ✓ 正答
- 70
- 65
- 60
解説
永久磁石直流電動機の電機子抵抗による損失を差し引いた出力電力が、入力電力の75%に相当するため、定格運転時の効率は75%となります。
直流電動機の効率と損失
直流電動機の効率とは、入力された電気エネルギーのうち、機械的な出力として変換されたエネルギーの割合を指します。計算式は、出力電力を入力電力で割ることで求められます。
この変換過程では、電気エネルギーの一部が熱エネルギーとなって外部へ逃げてしまいます。これが損失です。本問では、損失は電機子巻線の抵抗による「銅損」のみであると指定されています。電機子回路に流れる電流を [A]、電機子巻線の抵抗を [Ω] とすると、銅損 [W] は以下の式で表されます。
また、入力電力 [W] は電源電圧 [V] とその時の電流 [A] の積で求められ、出力電力 [W] は入力電力から銅損を差し引いたものとなります。
運転状態に基づいた計算手順
与えられた条件を順に適用することで、各値を算出します。
電機子抵抗の特定 回転開始前の静止状態では、逆起電力が発生しません。したがって、オームの法則 がそのまま成立します。電源電圧 [V]、始動電流 [A] なので、 となり、電機子抵抗 [Ω] であることが決まります。
定格運転時の入力電力の算出 定格回転数における定格電流が [A] であるため、入力電力 は [W] となります。
定格運転時の銅損と出力電力の算出 定格電流 [A] を用いて、この時の銅損 を求めます。 [W] です。入力電力からこの損失分を引くと、出力電力 [W] となります。
効率の算出 効率 は百分率で表すため、 の式に値を当てはめます。 [%] が得られます。
電源電圧と始動時の電流から抵抗という回路固有の特性を導き出し、そこから運転時の消費電力と出力の関係を重ねてみると、エネルギーの変換効率が見えてきます。