令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問40 解説 問4 問4
問4 一般的な三相かご形誘導電動機がある。出力が大きい定格運転条件では,誘導機の等価回路の電流は,「二次電流≫励磁電流」であるから,励磁回路を省略しても特性をほぼ表現できる。さらに,「二次抵抗による電圧降下≫その他の電圧降下」となるので,一次抵抗と漏れリアクタンスを省略しても,おおよその特性を検討できる。このような電動機でトルク一定負荷の場合に,電流80Aの定格運転から電源電圧と周波数を共に5%下げて回転速度を少し下げた。このときの電動機の電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 72
- 76
- 80 ✓ 正答
- 84
- 88
解説
三相誘導電動機において電源電圧 と周波数 を同じ割合で変化させるV/f一定制御を行う場合、トルクが一定であれば誘導機の二次電流は変化せず、定格運転時の80Aが維持されます。
誘導電動機のトルクと二次電流の関係
三相誘導電動機のトルク は、簡易的な等価回路において二次入力 と同期角速度 を用いて と表されます。問題文の条件より一次側のインピーダンスや励磁電流を無視できる場合、二次電流を 、二次抵抗を 、すべりを 、電源電圧を 、角周波数を とすると、二次電流は次の式で近似できます。
ここで、定格運転付近の負荷では二次抵抗による電圧降下が支配的であるため、 とみなせます。このとき、二次電流は となります。
一方、トルク は と表すことができ、これを整理すると という関係式が導かれます。
電圧と周波数の変化における挙動
- 電源電圧 と周波数 を共に5%減少させるため、比 は変化せず一定に保たれます。
- トルク一定負荷という条件において、前述の の関係から、 が一定であればトルク を維持するために必要なすべり も一定となります。
- 二次電流の式 において、 が減少し、それに伴いすべり が調整される過程を考えると、 一定制御下ではトルク一定負荷に対して二次電流 は変化しないことがわかります。
電源電圧と周波数を同じ比率で変化させたときの各パラメータの相関関係に目を向けると、電動機の運転状態の変化が見えてきます。