令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問50 解説 問5 問5
問5 2台の同期発電機を並列運転するためには,両発電機の(ア)に加えて,電圧の大きさと(イ)が一致していなければならない。発電機の並列に際し,これらの条件が一つでも満足されていなければ,並列と同時にじょう乱が発生するので,(ウ)を用いてこれらの3条件が一致した同期状態にあることを確認したうえで並列する必要がある。上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1) 回転速度 位相 電流計
- (2) 力率 方向 同期検定器
- (3) 周波数 位相 同期検定器 ✓ 正答
- (4) 回転速度 方向 電圧計
- (5) 周波数 位相 周波数計
解説
2台の同期発電機を並列運転する際には、電圧の大きさ、周波数、位相の3要素を一致させる必要があり、これらの状態を判定するために同期検定器を用いるため、(3)が正答となります。
同期発電機の並列運転条件
同期発電機を系統や他の発電機と並列接続する場合、接続点において電圧の波形や大きさが完全に一致している必要があります。これが守られないと、発電機間に大きな循環電流(無効電流や同期化電流)が流れ、機械的な衝撃や過電流を引き起こして保護装置が作動したり、機器の損傷を招いたりします。
並列運転のために必要な基本条件は以下の通りです。
- 電圧の大きさが等しいこと
- 周波数が等しいこと
- 位相が等しいこと
- 波形が等しいこと(相順も含む)
ここで、周波数が等しいことは、同期発電機の構造上、回転速度が同期速度()で一致していることと同義です。また、位相が一致していることは、発電機の起電力の波形のタイミングが完全に重なっていることを意味します。
同期検定器の役割
これらの条件のうち、特に電圧、周波数、位相を同時に監視するために用いられるのが同期検定器です。同期検定器は、並列しようとする発電機の電圧と、既に運転中の系統電圧(または別の発電機電圧)との差をベクトル的に比較する計器です。
同期検定器の指針が停止(または非常にゆっくりとした回転)を示し、かつ中央(同位相を示す位置)にあるとき、電圧・周波数・位相のすべての条件が満たされた同期状態にあると判断できます。これにより、並列遮断器を投入した瞬間の過大な電流発生を防止します。
並列条件の判定手順
設問の空欄を埋めるための判断ステップは以下の通りです。
- 空欄(ア)について:発電機の並列条件として「電圧」「位相」と並ぶ物理量であるため、回転速度と密接に関係する「周波数」を選択する。
- 空欄(イ)について:発電機の起電力波形のタイミングの一致を示す「位相」を選択する。
- 空欄(ウ)について:電圧・周波数・位相の3つの条件が一致しているかを総合的に判定・確認する専用の計器である「同期検定器」を選択する。
これらを満たす選択肢は(3)のみとなります。
同期検定器の指針の動きと、並列しようとする発電機の周波数や位相のズレを重ねてみると、並列運転開始の最適な瞬間が見えてきます。