第三種電気主任技術者試験 / 令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問120
certification-simodake-work

令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 問120 解説 問12 問12

設問図

問12 ある架空電線路の支持点間は200m, たるみは3.0mである。この架空電線路の電線と単位長さあたりの重量が同じ電線を用い, この架空電線路と同じ水平方向の引張強さで支持点間240mを架線する。このときの電線の実長L[m]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, いずれの架空電線路においても二つの支持点の高さは同一とする。

  1. 240.04
  2. 240.05
  3. 240.14
  4. 240.21 ✓ 正答
  5. 240.25

解説

電線の単位長さあたりの重量と水平張力が一定である条件下で、支持点間距離を200mから240mへ広げると、たるみが増加し、実長計算式 L=S+8D23SL = S + \frac{8D^2}{3S} に基づき、電線の実長は240.21mとなります。

電線のたるみと実長の基本関係

架空電線路において、支持点間の高さが同一である場合、電線はカテナリー曲線を描きますが、実務上はこれを放物線として近似し、計算を行います。ここで用いられる重要な関係式は以下の2つです。

  1. 水平張力とたるみの関係式: T=wS28DT = \frac{wS^2}{8D} ここで、TT は水平張力 [N]、ww は単位長さあたりの重量 [N/m]、SS は支持点間距離 [m]、DD はたるみ [m] です。この式から、ww と TT が一定である場合、DS2=w8T=一定\frac{D}{S^2} = \frac{w}{8T} = \text{一定} という関係が導かれます。

  2. 電線の実長を求める近似式: L=S+8D23SL = S + \frac{8D^2}{3S} この式は、電線の実長 LL が支持点間距離 SS に対して、たるみ DD の影響を加えて構成されることを示しています。

支持点間距離変更に伴う実長の算出

与えられた条件に基づき、以下の手順で実長を求めます。

  1. 現在の電線路の状態から w/Tw/T を特定する 支持点間距離 S1=200S_1 = 200 [m]、たるみ D1=3.0D_1 = 3.0 [m] であるため、関係式 wT=8D1S12\frac{w}{T} = \frac{8D_1}{S_1^2} を用いると、 wT=8×3.02002=2440000=0.0006\frac{w}{T} = \frac{8 \times 3.0}{200^2} = \frac{24}{40000} = 0.0006 となります。

  2. 新しい支持点間距離におけるたるみを算出する 新しい支持点間距離 S2=240S_2 = 240 [m] において、ww と TT は変わらないため、先ほど求めた定数を用いてたるみ D2D_2 を決定します。 D2=wT×S228=0.0006×24028=0.0006×576008=0.0006×7200=4.32D_2 = \frac{w}{T} \times \frac{S_2^2}{8} = 0.0006 \times \frac{240^2}{8} = 0.0006 \times \frac{57600}{8} = 0.0006 \times 7200 = 4.32 [m]

  3. 新しい条件での電線の実長を計算する 求めた S2=240S_2 = 240 [m] と D2=4.32D_2 = 4.32 [m] を、電線の実長近似式に代入します。 L=240+8×4.3223×240=240+8×18.6624720=240+149.2992720=240+0.20736=240.20736L = 240 + \frac{8 \times 4.32^2}{3 \times 240} = 240 + \frac{8 \times 18.6624}{720} = 240 + \frac{149.2992}{720} = 240 + 0.20736 = 240.20736 [m]

電線にかかる張力と重量のバランスを保ったまま支持点間距離を240mまで引き伸ばすと、放物線の曲線がより深く沈み込み、たるみの変化が電線の実長に反映される様子が分かります。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう