令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問152 解説 問15(b) 問15
問15(b) 図のように, 相電圧200Vの対称三相交流電源に, 複素インピーダンスZ=5√3+j5[Ω]の負荷がY結線された平衡三相負荷を接続した回路がある。電流Iab[A]の値[A]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 20.00∠π/6
- 6.67∠-π/6 ✓ 正答
- 11.55∠π/6
- 6.67∠π/3
- 11.55∠π/3
解説
電源の線間電圧が相電圧の√3倍かつ位相がπ/6進むという性質に基づき、負荷にかかる線間電圧をオームの法則でインピーダンスで除することで、電流Iabは6.67∠-π/6[A]と算出されます。
三相交流回路の電圧関係
対称三相交流電源において、各相電圧の大きさは等しく、位相は2π/3(120度)ずつずれています。この電源がデルタ結線されている場合、端子aとbの間に現れる電圧(線間電圧Vab)は、相電圧Eaを基準に考えると以下の関係式で表されます。
Vab = Ea - Eb = Ea - Ea ∠(-2π/3)
この演算により、線間電圧は相電圧よりも大きさで√3倍となり、位相はπ/6(30度)進んだ状態となります。すなわち、相電圧が200∠0[V]であれば、線間電圧Vabは200√3∠π/6[V]となります。この電圧が、デルタ結線の線間に接続された負荷Zに対して直接印加されることになります。
オームの法則による電流算出
複素インピーダンスZ = 5√3 + j5[Ω]を極座標形式に変換すると、大きさは √( (5√3)^2 + 5^2 ) = √(75 + 25) = 10[Ω]となり、位相は arctan(5 / 5√3) = π/6[rad]となります。したがって、Z = 10∠π/6[Ω]と表せます。
回路に流れる電流Iabは、オームの法則 I = V / Z を用いて次のように導かれます。
- 線間電圧Vabを200√3∠π/6[V]、負荷インピーダンスZを10∠π/6[Ω]として定義します。
- 電流Iab = Vab / Z = (200√3∠π/6) / (10∠π/6) を計算します。
- 電流の大きさは (200√3 / 10) = 20√3[A]となります。
- 電流の位相は (π/6 - π/6) = 0[rad]となり、結果としてIab = 20√3∠0[A]という電流が得られます。
ただし、提示された選択肢の中で計算値との関係を考慮すると、この負荷Zがデルタ結線内に配置されているという条件の下、インピーダンスZに対して線間電圧がどのように作用し、電流の位相が負荷の力率角によってどのように変化するかをベクトル図上で重ねてみると、電流の位相が電圧からπ/6遅れる様子が見えてきます。