令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問161 解説 問16(a) 問16
問16(a) 次に示す条件I~IIIを満たす永久磁石可動コイル形電流電圧計を製作したい。永久磁石可動コイル形電流電圧計内部の接続の一部が図に示すようであるとき、次の(a)及び(b)の間に答えよ。ただし、コイルは内部抵抗r=5Ωであり、最大4mAまで直流電流を流すことができるものとする。条件I:切り替えスイッチをAにしたときは、最大1Aの直流電流を測定できるものとする。条件II:切り替えスイッチをBにしたときは、最大100mAの直流電流を測定できるものとする。条件III:切り替えスイッチをCにしたときは、最大1.2Vの直流電圧を測定できるものとする。抵抗R1の値[Ω]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 0.1 ✓ 正答
- 0.9
- 4
- 9.6
- 9.96
解説
測定対象の電流に対してコイルの最大許容電流が小さすぎる場合、分流器を用いて電流の一部をバイパスさせることで、最大測定電流を拡大できるため、R1の値は0.1Ωとなります。
電流計の拡大原理
永久磁石可動コイル形計器は、コイルに流れる電流に比例して指針が振れる性質を持ちます。このとき、コイル自体が耐えられる電流には限界があるため、測定したい大電流をそのまま流すことはできません。そこで、コイルと並列に抵抗(分流器)を接続することで、全電流の大部分を分流器側に逃がし、コイルには常に最大電流を超えない範囲で電流を流すようにします。この回路構成において、コイルと分流器の両端には常に同じ電圧がかかるという、並列回路の電圧の法則(キルヒホッフの電流則およびオームの法則)が適用されます。
回路構成と電流の分担
図に示す回路において、端子から流入する全電流が分流器とコイルへどのように配分されるかを計算します。コイルの内部抵抗を 、コイルに流れる最大電流を とします。
スイッチをAにした場合、全体の測定電流は となります。このとき、コイルと直列に接続されている も回路に含まれるため、コイル側に流れる電流が流れる経路の抵抗は となります。分流器として機能する抵抗 に流れる電流 は、全電流からコイル電流を引いた です。
スイッチをBにした場合、全体の測定電流は となります。このとき、コイル側には が接続され、分流器側には が接続されることになります。ここでスイッチBの構成に注目すると、分流器側に流れる電流 は です。
スイッチAとBのそれぞれの状態で「コイル側にかかる電圧 = 分流器側にかかる電圧」が成り立つことを利用します。 スイッチAのとき:
スイッチBのとき:
これら2つの式を連立させます。両式の左辺が等しいため、右辺同士も等しくなります。 よって、 となります。
- この関係をスイッチAの式に代入します。
※ここで回路図を再度確認すると、スイッチAの配置において、R1とR2の直列接続部分とコイルへの電流経路が並列になっています。計算上の分流器の抵抗値を、選択肢と照らし合わせるために整理します。与えられた条件からR1について回路の節点方程式を重ねてみると、電流が流れる経路の枝分かれと合成抵抗の関係が見えてきます。