令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問30 解説 問3 問3
問3 図のように, 環状鉄心に二つのコイルが巻かれている。コイル1の巻数はNであり, その自己インダクタンスはL[H]である。コイル2の巻数はnであり, その自己インダクタンスは9L[H]である。巻数nの値を表す式として, 正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, 鉄心は均一で一定断面積をもち, コイル及び鉄心の漏れ磁束はなく, 鉄心の磁気飽和もないものとする。
- N/9
- N/3
- 3N ✓ 正答
- 9N
- 81N
解説
環状鉄心に巻かれたコイルの自己インダクタンスは巻数の2乗に比例するため、自己インダクタンスが9倍になるコイル2の巻数nは、コイル1の巻数Nの3倍である3Nとなります。
自己インダクタンスと巻数の関係
コイルの自己インダクタンスLは、鉄心の磁気抵抗をR_m、コイルの巻数をNとすると、以下の式で表されます。
この式は、同じ鉄心を使用し、漏れ磁束がないという条件下において、自己インダクタンスLが巻数Nの2乗に比例することを示しています。つまり、巻数がk倍になれば、自己インダクタンスはkの2乗倍に増加します。この関係性は、コイルに電流を流した際に発生する磁束が、巻数に比例し、その磁束が鎖交することで電圧が誘起されるという電磁誘導の原理に基づいています。
巻数とインダクタンスの比較計算
与えられた条件から、巻数nのコイル2のインダクタンスが、巻数Nのコイル1のインダクタンスLの9倍であることに注目し、以下のステップで巻数nを求めます。
- 比例定数をkとして、コイル1の自己インダクタンスを と置きます。
- コイル2の自己インダクタンスは であるため、同様の形式で と表せます。
- コイル1の式をコイル2の式に代入し、 という関係式を立てます。
- 両辺のkを消去すると となり、両辺の平方根をとることで という結果が得られます。
巻数とインダクタンスの関係式にそれぞれの数値を当てはめてみると、巻数が3倍になったときにインダクタンスがどのように変化するのか、その比例関係が見えてきます。