令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問60 解説 問6 問6
問6 図1の直流回路において,端子a-c間に直流電圧100Vを加えたところ,端子b-c間の電圧は10Vであった。また,図2のように端子b-c間に15Ωの抵抗を並列に追加したとき,端子b-c間の電圧は4Vであった。今,図3のように端子b-c間を短絡したとき,電流Iの値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 0.0
- 0.44 ✓ 正答
- 0.32
- 0.40
- 0.10
解説
端子b-c間における開放電圧を10V、内部抵抗を22.5Ωと特定することで、短絡時の電流は10Vを22.5Ωで除した値となり、0.44Aが導かれます。
テブナンの定理による等価回路への変換
複雑な回路網を、一つの電圧源と一つの直列抵抗からなる単純な回路(テブナンの等価回路)に置き換える手法をテブナンの定理と呼びます。この定理は、ある二端子(本問ではb-c端子)から見た回路の振る舞いを解析する際に非常に有効です。
テブナンの等価回路は、以下の2つの要素で構成されます。
- 開放電圧 : 二端子間を開放したときに現れる電圧
- 内部抵抗 : 電圧源を短絡(理想的な電圧源の場合)し、二端子間から回路内部を見たときの合成抵抗
この考え方を用いることで、負荷抵抗を接続した際の電圧変化や、短絡した際の電流値を、回路図全体を詳しく解くことなく一元的に算出できます。
テブナンの等価回路の定数決定
図1から図3の回路条件に基づき、以下のステップで回路定数を決定します。
二端子間(b-c間)の開放電圧 を特定します。図1において、b-c間には何も接続されていない状態で10Vの電圧が発生しているため、テブナンの等価電圧 となります。
二端子間の内部抵抗 を決定します。図2ではb-c間に15Ωの負荷抵抗を接続した結果、電圧が4Vに低下しています。これは、 の電源が と15Ωの抵抗で分圧された結果とみなせます。分圧の式 に値を代入すると、 となります。これを計算すると、、、、すなわち となります。
短絡電流 を算出します。図3のようにb-c間を短絡するということは、等価回路の に対して が直列に接続され、端子間が0Ωで結ばれる状態を指します。オームの法則により、短絡電流 が成り立ちます。先ほど求めた値から が得られます。
図1の端子から回路を眺め、b-c間の電圧が外部抵抗によってどのように引き下げられているかを追いかけてみると、電源内部に潜む抵抗値の姿が見えてきます。