第三種電気主任技術者試験 / 令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 / 各問題解説 / 問100
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令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 問100 解説 問10 問10

設問図

問10 高圧受電設備の保守,点検に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。(高圧受電設備規程による。)

  1. (1) 日常巡視は,日常随時構内を巡視して,運転中の電気設備を目視等により異常の有無を確認するものである。
  2. (2) 定期点検は,短期間(1週間から1ヶ月)の周期で,主として運転中の電気設備を目視により点検を行うものである。 ✓ 正答
  3. (3) 精密点検は,長期間(2年から5年程度)の周期で,電気設備を必要に応じて分解するなど,点検,測定及び試験を行うものである。
  4. (4) 臨時点検は,電気事故その他異常が発生したとき,又は異常が発生するおそれがあると判断したときに点検,測定及び試験を行うものである。
  5. (5) 保守は,各種点検において異常があった場合や修理・改修の必要を認めた場合には内容に応じた措置を講じるものである。

解説

定期点検の実施周期は、高圧受電設備規程において原則として1年程度と定められているため、1週間から1ヶ月という短期間を周期とする選択肢(2)の記述は不適切です。

高圧受電設備の保守・点検の体系

電気設備を安全かつ安定的に運用するためには、設備の劣化や異常を早期に発見し、適切な処置を施す必要があります。高圧受電設備規程では、点検の内容や目的に応じて以下の4つの区分が設けられています。

  1. 日常巡視 設備の運転中に外観の異常や異音、異臭などを五感と目視によって確認する点検です。日常的に随時行われ、故障の予兆を早期に発見する役割を担います。

  2. 定期点検 設備の機能や性能が設計通りに維持されているかを、あらかじめ決められた周期で確認する点検です。一般的に1年程度の周期で実施され、簡易的な測定なども含まれますが、基本は設備の運転状態や停止状態での目視・点検が中心となります。

  3. 精密点検 長期間(2年から5年程度)の周期で、設備を停電させ、分解点検や詳細な絶縁抵抗測定、継電器の動作試験などを行う深いレベルの点検です。日常や定期点検では確認できない内部の劣化や絶縁性能を評価します。

  4. 臨時点検 落雷、地震、事故などの異常事態が発生した際、または異常が予見される場合に必要に応じて随時行われる点検です。

これらの点検区分は、電気保安管理の「予防保全」という考え方に基づいています。予防保全とは、設備が故障する前に定期的な調査を行うことで、事故を未然に防ぐ活動です。各点検項目における周期は、設備の重要度や設置環境を考慮して定められています。

点検周期の判断手順

  1. 選択肢(2)が定義する「定期点検」を確認します。ここでは「1週間から1ヶ月」という周期が提示されています。
  2. 「高圧受電設備規程」が定める定期点検の標準的な周期である「1年程度」という基準と照らし合わせます。
  3. 提示された「1週間から1ヶ月」という期間は、設備を日常的に見守る「日常巡視」の概念に近いものであり、定期点検の周期としては明らかに短すぎることを特定します。
  4. 他の選択肢(1)、(3)、(4)、(5)については、それぞれの点検定義および保守の目的と整合していることを確認し、矛盾している(2)を不適切な記述として決定します。

保守・点検の各区分と、それぞれの役割や実施時期の目安を照らし合わせてみると、設備の維持管理に必要なサイクルの全体像が見えてきます。

参考リンク

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