第三種電気主任技術者試験 / 令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 / 各問題解説 / 問161
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令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問161 解説 問16(a)

設問図

問16 図1は三相ダイオード全波整流器を示している。入力電圧 va, vb, vc は①式のとおりであるとき, 出力電圧 vd は図2の太線に示すように線間電圧の絶対値のうち最も高いものが出力される。次の(a)及び(b)の問に答えよ。

  1. 1.00
  2. 1.22 ✓ 正答
  3. 1.41
  4. 1.63
  5. 1.73

解説

三相交流における線間電圧実効値と相電圧最大値の振幅比

入力相電圧の振幅が 2Vs\sqrt{2}V_{\mathrm{s}} で与えられる対称三相交流において、線間電圧の実効値は相電圧の実効値 VsV_{\mathrm{s}} の 3\sqrt{3} 倍となるため、線間電圧の実効値と相電圧の最大値の比は 3/2=1.5≈1.22\sqrt{3}/\sqrt{2} = \sqrt{1.5} \approx 1.22 となり、選択肢の 1.22 に結びつきます。

三相交流回路における電圧の関係と正弦波の性質

三相交流電源では、各相の電圧(相電圧)は互いに 2π/32\pi/3 rad(120度)の位相差を持っています。回路における任意の2線間の電圧(線間電圧)は、2つの相電圧の差として表され、回路の電位差を扱うキルヒホッフの法則に基づくベクトル的な差分によって導かれます。

対称三相交流において、相電圧の実効値を VsV_{\mathrm{s}} とすると、正弦波交流の波形性質から相電圧の最大値(振幅)は 2Vs\sqrt{2}V_{\mathrm{s}} です。一方で、位相が 120度 ズレた2相の電位差である線間電圧の実効値 VLV_{\mathrm{L}} は、幾何学的な関係により相電圧の実効値の 3\sqrt{3} 倍、すなわち VL=3VsV_{\mathrm{L}} = \sqrt{3}V_{\mathrm{s}} となります。

ダイオード全波整流器の入力波形や出力特性を調べる際、こうした相電圧の波形頂点(最大値)と線間電圧の実効値の比率は、波形の大きさを比較する基礎的な指標となります。

三相交流の電圧比の算出

1. 相電圧の最大値と実効値の算出

式①の va=2Vssin⁡θv_{\mathrm{a}} = \sqrt{2}V_{\mathrm{s}}\sin\theta より、入力相電圧の最大値(振幅)は 2Vs\sqrt{2}V_{\mathrm{s}} であり、相電圧の実効値は VsV_{\mathrm{s}} と定めることができます。

2. 線間電圧の実効値の算出

三相平衡交流の幾何学的性質により、線間電圧の実効値 VLV_{\mathrm{L}} は相電圧の実効値 VsV_{\mathrm{s}} の 3\sqrt{3} 倍となるため、VL=3VsV_{\mathrm{L}} = \sqrt{3}V_{\mathrm{s}} が得られます。

3. 電圧の比率計算

線間電圧の実効値 VLV_{\mathrm{L}} と相電圧の最大値 2Vs\sqrt{2}V_{\mathrm{s}} の比を計算します。

VL2Vs=3Vs2Vs=32=1.5≈1.2247\frac{V_{\mathrm{L}}}{\sqrt{2}V_{\mathrm{s}}} = \frac{\sqrt{3}V_{\mathrm{s}}}{\sqrt{2}V_{\mathrm{s}}} = \frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}} = \sqrt{1.5} \approx 1.2247

小数点以下第3位を四捨五入することにより 1.22 が得られ、選択肢の値に一致します。

図1の整流器回路と図2に描かれた各相電圧 va,vb,vcv_{\mathrm{a}}, v_{\mathrm{b}}, v_{\mathrm{c}} の位相関係を重ねてみると、線間電圧の大きさと相電圧の振幅のつながりが見えてきます。

参考リンク

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