第三種電気主任技術者試験 / 令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 / 各問題解説 / 問162
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令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問162 解説 問16(b)

設問図

出力電圧 $v_d$ は出力に平行滑回路を用いない場合、図2の太線のやうに振動した波形となる。いま、駆動率 $\alpha$ を次式で定義する。 $\alpha = \frac{(v_d\ の\ 最大値) - (v_d\ の\ 最小値)}{(v_d\ の\ 平均値)}$ 駆動率 $\alpha$ として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、必要に応じて以下の関係を用いてよい。 $\int_{\beta}^{\beta+\pi} \sin \theta d\theta = -\cos \beta + \cos (\beta + \pi) = -\cos \beta - \cos \beta = -2 \cos \beta$

  1. (1) 0.07
  2. (2) 0.14
  3. (3) 0.28 ✓ 正答
  4. (4) 0.60
  5. (5) 1.57

解説

三相全波整流回路の出力電圧波形において、最大値と最小値の差が約 0.268Vm0.268 V_m、平均値が約 0.955Vm0.955 V_m となることから、これらの比で定義される駆動率 α\alpha を計算すると約 0.28 となり、(3)が正解となります。

三相全波整流波形の電圧特性と平均値の法則

整流回路は交流電圧を直流電圧に変換する回路であり、三相全波整流回路では 1 周期(2π2\pi rad)の間に 6 回の脈動が発生します。出力電圧波形 vdv_d は、交流電源の線間電圧のピーク値を VmV_m とすると、π/3\pi/3 rad(60°)ごとに同じ波形を繰り返す周期関数となります。

この波形の平均値を求めるには、定積分による平均値の定義が用いられます。波形の 1 周期である π/3\pi/3 rad の範囲で出力電圧波形を積分し、その区間の長さで割ることで平均電圧 vd,avev_{d,\text{ave}} が定まります。具体的には、正弦波の積分公式を適用することで、平均電圧は 3πVm\frac{3}{\pi} V_m と導かれます。

一方で、出力電圧の振動の程度を表す指標として駆動率(脈動率) α\alpha が定義されます。駆動率は出力電圧の最大値と最小値の差(波形の振動幅)を平均値で割った割合であり、直流出力に含まれる交流成分(リップル成分)の大きさを定量的に評価するための重要な概念です。

出力電圧の最大値・最小値・平均値と駆動率の導出

  1. 出力電圧の最大値と最小値の差を導出します。波形のピーク値(最大値)は vd,max=Vmv_{d,\text{max}} = V_m であり、谷の部分(最小値)は波形が交差する位置である θ=π/3\theta = \pi/3 rad における値です。脈動の変動幅として振幅特性を考慮すると、最大値と最小値の差は (2−3)Vm≈0.268Vm(2 - \sqrt{3}) V_m \approx 0.268 V_m と求まります。

  2. 定積分による平均値の定義を適用して、出力電圧の平均値 vd,avev_{d,\text{ave}} を計算します。繰り返し周期が π/3\pi/3 であることから、平均値は vd,ave=3πVm≈0.955Vmv_{d,\text{ave}} = \frac{3}{\pi} V_m \approx 0.955 V_m となります。

  3. 導出した最大値と最小値の差、および平均値を駆動率 α\alpha の定義式に代入します。駆動率 α=0.268Vm0.955Vm≈0.2806\alpha = \frac{0.268 V_m}{0.955 V_m} \approx 0.2806 となり、最も近い数値として 0.28 が導かれます。

脈動波形の山と谷の高さの違いや、1周期分の面積から得られる平均値の位置関係を波形図と重ねて見つめ直すと、駆動率が表す電圧の揺らぎの割合が鮮明に見えてきます。

参考リンク

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