第三種電気主任技術者試験 / 令和8年度 上期 第3種 理論 / 各問題解説 / 問40
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令和8年度 上期 第3種 理論 問40 解説 問4

設問図

太さを無視できる非常に長い二つの棒磁石が真空中に図のように固定されている。棒磁石の両端の磁極は点磁荷とみなすことができ,図に現れている磁極の強さは,N極が 1×10^-4 Wb,S極が -1×10^-4 Wb である。このとき,点Aの磁界の大きさの値 [A/m] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,点A,B,Cは,一直線上に位置しているものとする。真空の透磁率は μ0 = 4π×10^-7 H/m とする。また,図のN極,S極の各点磁荷以外の部分から点Aへの影響はないものとし,各棒磁石の,図に現れていない他端の磁極の影響も無視できるものとする。

  1. 3.52
  2. 1.76
  3. 7.04 ✓ 正答
  4. 5.28
  5. 10.6

解説

点Aにおける磁界の大きさは、点BのN極および点CのS極がそれぞれ点Aに作る磁界の強さを算出し、それらが同一方向であるために合計することで、7.04 A/mとなります。

クーロンの法則と磁界の強さ

磁石の磁極が作る磁界の強さ HH [A/m] は、クーロンの法則に基づいて定義されます。強さ mm [Wb] の点磁荷から距離 rr [m] 離れた点における磁界の大きさは、真空の透磁率を μ0\mu_0 [H/m] とすると、以下の式で表されます。

H=m4πμ0r2H = \frac{m}{4\pi\mu_0 r^2}

ここで、透磁率 μ0=4π×10−7\mu_0 = 4\pi \times 10^{-7} [H/m] を代入すると、分母の 4π4\pi と打ち消し合い、式は以下のように簡略化できます。

H=m4π(4π×10−7)r2=m16π2×10−7r2H = \frac{m}{4\pi (4\pi \times 10^{-7}) r^2} = \frac{m}{16\pi^2 \times 10^{-7} r^2}

磁界はベクトル量であり、N極(正の磁荷)からは外向き(遠ざかる方向)の磁界が、S極(負の磁荷)からは内向き(近づく方向)の磁界が生じます。

磁界の合成

  1. 点BにあるN極(mB=1×10−4m_B = 1 \times 10^{-4} Wb)が点Aに作る磁界 HBH_B を求めます。点Aは点Bから rB=3r_B = 3 m の位置にあるため、磁界の大きさは HB=1×10−44π×(4π×10−7)×32=1×10−416π2×10−7×9≈0.7036H_B = \frac{1 \times 10^{-4}}{4\pi \times (4\pi \times 10^{-7}) \times 3^2} = \frac{1 \times 10^{-4}}{16\pi^2 \times 10^{-7} \times 9} \approx 0.7036 [A/m] となります。向きはBからAへ遠ざかる右向きです。

  2. 点CにあるS極(mC=−1×10−4m_C = -1 \times 10^{-4} Wb)が点Aに作る磁界 HCH_C を求めます。点Aは点Cから rC=1r_C = 1 m の位置にあり、S極は磁力線を引き込むため、磁界の向きはAからCへ向かう右向きとなります。大きさは HC=∣−1×10−4∣4π×(4π×10−7)×12=1×10−416π2×10−7×1≈6.3326H_C = \frac{|-1 \times 10^{-4}|}{4\pi \times (4\pi \times 10^{-7}) \times 1^2} = \frac{1 \times 10^{-4}}{16\pi^2 \times 10^{-7} \times 1} \approx 6.3326 [A/m] となります。

  3. 二つの磁界はともに右向きであるため、合計します。H=HB+HC=0.7036+6.3326=7.0362H = H_B + H_C = 0.7036 + 6.3326 = 7.0362 [A/m] となり、これを近似すると 7.04 A/m です。

点Aという空間の一点において、離れた場所にあるN極が押し出す力とS極が引き寄せる力を重ねてみると、磁界の強さが足し合わされる様子が見えてきます。

参考リンク

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