第三種電気主任技術者試験 / 令和8年度 上期 第3種 理論 / 各問題解説 / 問50
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令和8年度 上期 第3種 理論 問50 解説 問5

設問図

図のように, 内部抵抗r=0.1Ω, 起電力E=9Vの電池4個を並列に接続した電源に抵抗R=0.5Ωの負荷を接続した回路がある。この回路において, 抵抗R=0.5Ωで消費される電力の値[W]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 820
  2. 4050
  3. 253
  4. 50 ✓ 正答
  5. 147

解説

図の条件にある起電力E=9VE=9\mathrm{V}、内部抵抗r=0.1Ωr=0.1\Omegaの電池4個を並列接続した電源に、抵抗R=0.5ΩR=0.5\Omegaの負荷を接続した回路では、この負荷抵抗で消費される電力は147W147\mathrm{W}となります。これは、並列接続された電池の等価な内部抵抗が小さくなることで、回路全体に流れる電流が大きくなり、結果として負荷抵抗で消費される電力が大きくなるためです。

電源の等価回路と電力の概念

この問題を解く上で鍵となるのは、複数の電源が並列接続された場合の等価回路の考え方と、オームの法則、そして電力の法則です。

電源の等価回路と並列接続の性質

実際の電池などの電源は、理想的な電圧源(起電力)と、その電源自身が持つ抵抗成分である内部抵抗が直列に接続されたものとして扱えます。この考え方を用いることで、複雑な電源回路も一つのシンプルな等価な電源として扱うことができ、回路解析が容易になります。

複数の電源を並列に接続する場合、もしそれぞれの電源が同じ起電力であるならば、合成された電源の起電力は元の起電力と同じになります。これは、並列に接続された各電源の端子間電圧が等しいためです。

一方、内部抵抗は並列接続された抵抗の合成抵抗の計算方法に従います。複数の内部抵抗が並列に接続される場合、全体の合成内部抵抗は、個々の内部抵抗の逆数の和の逆数として求められます。この結果、並列接続された電源の合成内部抵抗は個々の内部抵抗よりも小さくなります。内部抵抗が小さくなることは、電源がより多くの電流を回路に供給できる能力が高まることを意味し、電源の特性として重要です。

オームの法則と電力の法則

オームの法則は、回路における電圧VV、電流II、抵抗RRの間の基本的な関係を示します。これはV=IRV = IRと表され、回路全体の電圧と抵抗から全体の電流を求めたり、特定の抵抗に流れる電流と抵抗値からその抵抗にかかる電圧を求めたりする際に不可欠な法則です。

電力の法則は、抵抗で消費される電力PPを計算するための法則です。抵抗に流れる電流IIと抵抗RRを用いると、P=I2RP = I^2 Rと表されます。この他に、抵抗にかかる電圧VVと電流IIを用いるP=VIP = VI、または抵抗にかかる電圧VVと抵抗RRを用いるP=V2/RP = V^2 / Rといった形式もあります。この問題では、回路全体の電流を求めてから、負荷抵抗で消費される電力を計算するためにP=I2RP = I^2 Rの式を利用します。

回路における電力消費の計算

1. 並列接続された電池の等価回路の算出

図を見ると、起電力E=9VE=9\mathrm{V}、内部抵抗r=0.1Ωr=0.1\Omegaの電池が4個並列に接続されています。

  • 合成起電力EeqE_{eq}: 各電池の起電力はすべて9V9\mathrm{V}で同じであるため、並列接続された電源の合成起電力は元の起電力と等しくなります。 Eeq=E=9VE_{eq} = E = 9\mathrm{V}
  • 合成内部抵抗reqr_{eq}: 4個の内部抵抗rrが並列に接続されているとみなせます。並列接続された抵抗の合成抵抗の計算式(逆数の和の逆数)を用いると、 1req=1r+1r+1r+1r=4r\frac{1}{r_{eq}} = \frac{1}{r} + \frac{1}{r} + \frac{1}{r} + \frac{1}{r} = \frac{4}{r} したがって、 req=r4=0.1Ω4=0.025Ωr_{eq} = \frac{r}{4} = \frac{0.1\Omega}{4} = 0.025\Omega この回路は、起電力9V9\mathrm{V}、内部抵抗0.025Ω0.025\Omegaの単一の電源として等価に扱えます。

2. 回路を流れる電流の算出

上記で求めた等価回路は、起電力Eeq=9VE_{eq}=9\mathrm{V}、内部抵抗req=0.025Ωr_{eq}=0.025\Omegaの電源に、負荷抵抗R=0.5ΩR=0.5\Omegaが直列に接続されたものとして考えられます。 回路全体の合成抵抗は、内部抵抗と負荷抵抗の和になります。 Rtotal=req+R=0.025Ω+0.5Ω=0.525ΩR_{total} = r_{eq} + R = 0.025\Omega + 0.5\Omega = 0.525\Omega オームの法則により、回路全体を流れる電流IIは、合成起電力を合成抵抗で割ることで求められます。 I=EeqRtotal=9V0.525Ω≈17.1428...AI = \frac{E_{eq}}{R_{total}} = \frac{9\mathrm{V}}{0.525\Omega} \approx 17.1428... \mathrm{A}

3. 負荷抵抗Rで消費される電力の算出

負荷抵抗R=0.5ΩR=0.5\Omegaで消費される電力PPは、電力の法則P=I2RP = I^2 Rを用いて計算します。 P=(17.1428...A)2×0.5ΩP = (17.1428... \mathrm{A})^2 \times 0.5\Omega P≈293.877×0.5ΩP \approx 293.877 \times 0.5\Omega P≈146.938WP \approx 146.938 \mathrm{W} この計算結果に最も近い選択肢の値は147W147\mathrm{W}です。

回路図の電池が4つ並列接続されている構成と、それぞれの内部抵抗r=0.1Ωr=0.1\Omegaが全体の等価抵抗にどのように影響するかを重ねてみると、電流の流れ方が見えてきます。

参考リンク

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