第三種電気主任技術者試験 / 令和8年度 上期 第3種 理論 / 各問題解説 / 問60
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令和8年度 上期 第3種 理論 問60 解説 問6

設問図

図1に示すように, 静電容量C1=4μFとC2=2μFの二つのコンデンサが直列に接続され, 直流電圧6Vで充電されている。次に電荷が蓄積されたこの二つのコンデンサを直流電源から切り離し, 電荷を保持したまま同じ極性の端子同士を図2に示すように並列に接続する。並列に接続後のコンデンサの端子間電圧の大きさV[V]の値として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 32/3
  2. 4/3
  3. 16/3
  4. 8/3 ✓ 正答
  5. 2/3

解説

図1の直列回路で各コンデンサに蓄えられた電荷の合計が、直流電源から切り離され図2のように並列接続された後も、電荷保存の法則により総電荷として維持されることから、並列接続後のコンデンサの端子間電圧Vは8/3Vとなります。

コンデンサの基本特性と接続法則

この問題を解く上で理解しておくべき基本的な法則は、コンデンサの特性を表す式と、コンデンサが直列・並列に接続された場合の特性、そして電荷保存の法則です。

  • コンデンサの基本式 コンデンサに蓄えられる電荷の量 QQ [C] は、コンデンサの静電容量 CC [F] とコンデンサ間の電圧 VV [V] に比例します。この関係は次の式で表されます。 Q=CVQ = C V

  • コンデンサの直列接続 コンデンサを直列に接続した場合、各コンデンサに蓄えられる電荷の量はすべて等しくなります。また、直列回路全体の電圧は、各コンデンサにかかる電圧の合計になります。直列接続された複数のコンデンサを一つの等価なコンデンサとみなしたときの合成静電容量 CsC_s は、次式で計算されます。 1/Cs=1/C1+1/C2+⋯+1/Cn1/C_s = 1/C_1 + 1/C_2 + \dots + 1/C_n

  • コンデンサの並列接続 コンデンサを並列に接続した場合、各コンデンサにかかる電圧はすべて等しくなります。また、並列回路全体の総電荷は、各コンデンサに蓄えられた電荷の合計になります。並列接続された複数のコンデンサの合成静電容量 CpC_p は、次式で計算されます。 Cp=C1+C2+⋯+CnC_p = C_1 + C_2 + \dots + C_n

  • 電荷保存の法則 閉じた電気回路系において、外部との電荷のやり取りがなければ、回路全体の総電荷は常に一定に保たれます。この問題では、一度直流電源で充電されたコンデンサ群が電源から切り離され、その後再接続されるまでの間、外部から新たな電荷が供給されたり、外部へ電荷が流出したりしないため、コンデンサ群が持つ総電荷は変化しないという原則が適用されます。

直列から並列接続へのコンデンサ回路の電圧計算

  1. 図1における各コンデンサの電荷を特定する。 まず、図1の直列回路の合成静電容量 CsC_s を計算します。与えられた静電容量は C1=4μFC_1=4\mu\text{F} と C2=2μFC_2=2\mu\text{F} なので、 1/Cs=1/C1+1/C2=1/(4μF)+1/(2μF)=1/4+2/4=3/41/C_s = 1/C_1 + 1/C_2 = 1/(4\mu\text{F}) + 1/(2\mu\text{F}) = 1/4 + 2/4 = 3/4 したがって、Cs=4/3μFC_s = 4/3 \mu\text{F} となります。 次に、この合成静電容量に充電された総電荷 QtotalQ_{total} を、回路全体の電圧 6V6\text{V} を用いて求めます。コンデンサの基本式 Q=CVQ=CV より、 Qtotal=Cs×6V=(4/3μF)×6V=8μCQ_{total} = C_s \times 6\text{V} = (4/3 \mu\text{F}) \times 6\text{V} = 8 \mu\text{C} コンデンサが直列接続されている場合、各コンデンサに蓄えられる電荷は等しいため、C1C_1 に蓄えられる電荷 Q1Q_1 も C2C_2 に蓄えられる電荷 Q2Q_2 も 8μC8 \mu\text{C} です。

  2. 直流電源からの切り離しと電荷の保存を確認する。 問題文に「直流電源から切り離し, 電荷を保持したまま」と明記されていることから、この後の操作でコンデンサに蓄えられた総電荷は変化しません。つまり、コンデンサ群全体で Q1+Q2Q_1 + Q_2 の電荷が維持されます。

  3. 図2の並列接続における電荷保存の法則を適用する。 図2では、電荷が蓄積された二つのコンデンサが並列に接続されています。この回路全体は外部と切り離されているため、電荷保存の法則により、回路全体の総電荷は図1で蓄えられた電荷の合計と等しくなります。 並列接続後の総電荷 Qtotal′=Q1+Q2=8μC+8μC=16μCQ_{total}' = Q_1 + Q_2 = 8 \mu\text{C} + 8 \mu\text{C} = 16 \mu\text{C} となります。

  4. 図2の並列接続における合成静電容量と端子間電圧を計算する。 コンデンサが並列接続されている場合の合成静電容量 CpC_p は、各コンデンサの静電容量の和となります。 Cp=C1+C2=4μF+2μF=6μFC_p = C_1 + C_2 = 4\mu\text{F} + 2\mu\text{F} = 6 \mu\text{F} 並列接続後の端子間電圧 VV は、並列接続後の総電荷 Qtotal′Q_{total}' と並列接続の合成静電容量 CpC_p を用いて V=Qtotal′/CpV = Q_{total}' / C_p で求められます。 V=16μC/6μF=16/6 V=8/3 VV = 16 \mu\text{C} / 6 \mu\text{F} = 16/6 \text{ V} = 8/3 \text{ V}

このように、図1での直列接続時の各コンデンサの電荷と、図2での並列接続後の総電荷と合成静電容量の関係を重ねてみると、コンデンサ回路における電荷の振る舞いが見えてきます。

参考リンク

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