令和8年度 上期 第3種 理論 問70 解説 問7
図のように, 抵抗 R [Ω] と抵抗 Rx [Ω] を並列に接続した回路がある。この回路に直流電圧 V [V] を加えたところ, 電流 I [A] が流れた。Rx の値 [Ω] を表す式として, 正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- V/I + R
- V/I - R
- R / (IR/V - V)
- VR / (IR - V) ✓ 正答
- V / (I / (V - R))
解説
抵抗RとRxが並列に接続された回路に直流電圧Vが加えられ、全体の電流Iが流れる状況でRxの値を求めるには、並列回路における電圧の特性、オームの法則、そしてキルヒホッフの電流法則を組み合わせることで、正解のVR / (IR - V)が導き出されます。
回路の基本的な性質と法則
この問題の回路は、抵抗が並列に接続された構成です。このような回路を分析する上で重要なのは、以下の基本的な電気法則です。
並列回路の特性
電気回路において、複数の素子(抵抗など)が並列に接続されている場合、それらの素子にはすべて同じ電圧がかかります。これは、並列接続された素子の両端が、共通の2点に接続されているためです。したがって、この問題では、抵抗Rと抵抗Rxの両方に、回路全体に加わっている直流電圧Vがそのままかかっていると理解できます。
オームの法則
オームの法則は、電圧(V)、電流(I)、抵抗(R)の間に成り立つ基本的な関係を示します。 ある抵抗に電圧Vがかかり、電流Iが流れるとき、以下の関係が成立します。 この法則は、未知の電流、電圧、または抵抗を求めるために様々な形に変形して使われます。たとえば、電流を求める場合は 、抵抗を求める場合は となります。
キルヒホッフの電流法則(KCL)
キルヒホッフの電流法則は、回路の任意の分岐点(ノード)において、その点に流れ込む電流の総和と、その点から流れ出す電流の総和が等しいという法則です。これは電流の保存則とも呼ばれます。この問題のように、全体の電流がある分岐点で複数の経路に分かれて流れる場合、各経路に流れる電流の合計が、分岐点に入る前の全体の電流と等しくなります。
Rxの値を求める判断ステップ
これらの法則を設問の回路に適用し、Rxの値を求める式を導出します。
各抵抗にかかる電圧を特定します。 回路図から、抵抗Rと抵抗Rxは並列に接続されています。並列回路の特性により、これらの抵抗の両端には、回路全体に加わる直流電圧Vがそのままかかります。したがって、抵抗Rにかかる電圧はV、抵抗Rxにかかる電圧もVです。
各抵抗に流れる電流をオームの法則で表します。 オームの法則 () を用いて、抵抗Rに流れる電流を 、抵抗Rxに流れる電流を とします。
キルヒホッフの電流法則を適用し、全体の電流との関係を立てます。 回路全体に流れる電流Iは、分岐点において抵抗Rに流れる電流 と抵抗Rxに流れる電流 の合計に等しくなります。 したがって、 の関係が成り立ちます。 ステップ2で得られた式を代入すると、以下の式が得られます。
について式を解きます。 ステップ3で得られた式を、 について整理していきます。
- まず、 の項を分離するため、両辺から を引きます。
- 左辺を通分します。
- を求めるためには、 の逆数をとり、さらにVを掛けるか、 の項を直接分離するように操作します。 両辺の逆数をとると、 となります。 次に両辺にVを掛けると、 となります。
- この式は選択肢の と同じです。
図の並列接続されている抵抗RとRx、そして全体の電流Iと電圧Vの関係を眺めると、それぞれの素子に流れる電流が全体でどのように分散しているかが見えてきます。