平成24年度 筆記試験 問21 解説 B種接地工事
電気設備の技術基準の解釈によれば、高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器には、混触による危険を防止するためにB種接地工事を施すことになっている。B種接地工事を施す箇所として、誤っているものは。
- イ. 6.6 [kV] / 210-105 [V] 単相変圧器の低圧側の中性点端子
- ロ. 6.6 [kV] / 210 [V] 三相変圧器(二次側:三角結線、低圧電路非接地)の金属製の混触防止板
- ハ. 6.6 [kV] / 210 [V] 三相変圧器(二次側:三角結線)の低圧側の1端子
- ニ. 6.6 [kV] / 420 [V] 三相変圧器(二次側:星形結線)の低圧側の1端子 ✓ 正答
解説
B種接地工事の基本ルールと接地箇所の選定
この問題を解くためのポイントは、B種接地工事を施す箇所は、変圧器の二次側(低圧側)の結線方式と接地電位を適切に制御できる端子でなければならないという点です。原則として、単相変圧器であれば中性点、三相変圧器(デルタ結線など)であれば任意の1端子に施しますが、星形(Y)結線の場合には「中性点」に接地を施すことが必須となります。
低圧側の接地箇所に関する規定
電気設備の技術基準の解釈では、高圧と低圧を結合する変圧器において、混触時の電圧上昇を抑制するためにB種接地工事を義務付けています。
単相3線式や三相のデルタ結線では、低圧側の1端子や中性点に接地を施すことで、混触時に地絡電流を確実に流し、保護装置を動作させやすくします。しかし、三相の星形(Y)結線の場合、その中心点である中性点は各相の電圧がバランスする基準点となります。この中性点以外(例えば特定の1端子)に接地を施すと、電圧の不平衡や地絡事故時の保護機能に支障をきたす恐れがあるため、星形結線では必ず中性点に接地しなければならないというルールがあります。
正誤を判断する思考プロセス
選択肢を検討する際、まず変圧器の「結線方式」と「接地対象」に着目します。
イの単相変圧器(中性点)およびハの三相デルタ結線(1端子)は、技術基準で認められた標準的な接地箇所です。 ロの混触防止板は、変圧器の一次巻線と二次巻線の間に金属板を挿入し、そこにB種接地を施す手法であり、これもまた混触防止策として有効かつ認められた方法です。
一方で、ニの星形結線(Y結線)において「1端子」へ接地することは不適切です。星形結線における接地は、あくまで「中性点」に対して行う必要があります。本問では「1端子」という記述があるため、接地すべき箇所として誤りであると判断できます。
実務における変圧器接地の重要性
この知識は、現場で受変電設備の点検や設計を行う際の基本となります。特に工場やビルなどの受変電設備において、低圧側の接地が適切に施されているかは、漏電火災や感電事故を防ぐための最後の砦となります。
試験問題としては「どの端子に接地するか」という細かい形式に注目させがちですが、実務の現場では、なぜその箇所でなければならないのかという「電位の安定」と「保護装置の確実な動作」という概念が重要です。結線方式ごとに接地すべき端子が異なる理由を理解しておくことは、竣工検査や定期点検時の確認項目として非常に重要であり、トラブルを未然に防ぐための基礎能力となります。