平成24年度 筆記試験 問34 解説 高圧受電設備図
問30から問34までは、下の図に関する問いである。 図は、自家用電気工作物(500〔kW〕未満)の高圧受電設備及び動力設備の一部を表した図並びに高圧架空引込線の見取図である。 この図に関する各問いには、4通りの答え(イ、ロ、ハ、ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して、答えを一つ選びなさい。 〔注〕図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。
- イ
- ロ
- ハ
- ニ ✓ 正答
解説
この問題は、図面上の配置と記号が示す「役割」から機器を特定します。動力制御盤内にあり、接続先がポンプや送風機といった電動機(モータ)であることに注目してください。電動機の始動・停止を電気信号によって制御する機器は電磁開閉器です。
電動機制御の要となる電磁開閉器
電磁開閉器(マグネットスイッチ)は、電磁接触器(コンタクタ)と過負荷継電器(サーマルリレー)を組み合わせた機器です。電磁接触器は、制御回路からの信号で主回路の電源を投入・遮断し、電動機の起動・停止を行います。一方、サーマルリレーは電動機が過負荷運転になった際に電流を検知して制御回路を遮断し、電動機を焼損から守る役割を果たします。これらがセットになっているため、動力制御盤において電動機を動かすための必須機器として扱われます。
機器識別の手順
試験で機器を特定する際は、以下の視点を持つとスムーズです。
- 設置場所を確認する この問題では「動力制御盤」という名称が図中に示されています。動力制御盤とは、主にモータを動かすための電力を供給・制御する場所です。
- 接続先の負荷を特定する 図を見ると、(5)の先にはポンプや送風機のモータ(M)が複数接続されています。動力負荷を制御する機器は、一般的に配線用遮断器や漏電遮断器よりも、より直接的に「運転・停止」を司る電磁開閉器が選ばれます。
- 消去法で選択肢を絞る 配線用遮断器や漏電遮断器は、回路の保護を目的とする遮断器です。今回の(5)は「制御」という役割が強く求められる場所にあるため、遮断器ではなく開閉器を選択するのが妥当です。
実務における位置づけ
現場において、この知識は動力盤の設計やメンテナンスで直結します。例えば、ポンプを自動運転させたい場合、水位センサからの信号を電磁開閉器のコイルに送り、主接点を閉じてポンプを回します。また、モータが異常発熱した際にはサーマルリレーが動作してシステムを停止させるため、この機器の構造や選定を誤ると設備全体が機能不全に陥ります。
試験問題としては、単に名前を覚えるだけでなく、図面の中で「どこで」「何のために」使われているのかという文脈を読み解く力が問われています。配線用遮断器は「守るもの」、電磁開閉器は「動かすもの」という役割の違いを明確に整理しておきましょう。