平成24年度 筆記試験 問42 解説 高圧受電設備の機器
②で示す部分に使用されないものは。
- イ. ✓ 正答
- ロ.
- ハ.
- ニ.
解説
この問題は、高圧受電設備において「どの機器が、どのような目的で、どこに使用されるか」という写真識別能力を問うものです。問題文にある「②で示す部分」は、単線結線図上の引込口や保護装置付近を指しており、イの「がいし(引き留め用)」以外はすべて高圧ケーブルの処理や保護に関わる部材であることを識別できれば正解にたどり着けます。
各機器の役割と識別ポイント
写真に示されている部材は、第一種電気工事士の実技試験でも頻出の重要アイテムです。それぞれの役割を整理します。
イ. 高圧ピンがいし:電柱の腕金などに固定し、高圧電線を絶縁支持するために使用します。単線結線図上の引込点や支持物には描かれますが、ケーブルの端末処理そのものには関与しません。
ロ. 高圧ケーブル端末処理材(屋外用):高圧ケーブルの端末を屋外で接続する際、雨水や汚損から保護し、沿面放電を防止するために使用します。傘状の形状が特徴です。
ハ. 高圧ケーブル端末処理材(屋内用):屋内の高圧機器にケーブルを接続する際に使用する、直線的な端末処理材(ストレスコーンなど)です。
ニ. 零相変流器(ZCT):高圧回路の地絡事故を検出するための変流器です。高圧ケーブルを貫通させることで地絡電流を検出し、漏電リレーへ信号を送ります。ケーブルの端末処理工程においてセットで組み込まれることが多い重要な保護装置です。
機器の組み合わせから見る構造
試験では「単線結線図の読み取り」と「写真による実物把握」がリンクして出題されます。
単線結線図において、ケーブルの引込口から受電盤にかけては、高圧ケーブルの端末処理(ロやハ)と、それに付随する機器(ZCTなどのニ)が必要不可欠です。一方で、イの「がいし」は架空電線から構内電線への引き込みの際に使用する支持物であり、機器の内部回路や盤内の構成品としては含まれません。
この問いは、受電設備を「点(機器の機能)」ではなく「線(ケーブルの施工と保護の流れ)」として理解できているかを測る意図があります。
現場で求められる知識のつながり
高圧ケーブルの端末処理は、電気工事士にとって非常に繊細な技術が求められる作業です。不適切な施工を行えば、コロナ放電が発生し、絶縁破壊から短絡事故に至ります。
ロやハのような端末処理材を正しく選定・施工すること、そしてニのようなZCTを正しく貫通させて設置することは、受電設備の安全を守るための必須スキルです。これらの機器はセットで現場に搬入されることが多いため、図面上で記号を見た瞬間に、どの部材を何個準備すべきか、施工の段取りをイメージできることが、プロの電気工事士として求められるレベルといえます。