第一種電気工事士試験 / 平成26年度 上期 学科試験 / 問8
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平成26年度 上期 学科試験 問8 解説 変圧器の短絡電流

設問図

定格容量150[kV・A]、定格一次電圧6600[V]、定格二次電圧210[V]、百分率インピーダンス5[%]の三相変圧器がある。一次側に定格電圧が加わっている状態で、二次側端子間における三相短絡電流[kA]は。 ただし、変圧器より電源側のインピーダンスは無視するものとする。

  1. イ. 3.00
  2. ロ. 8.25 ✓ 正答
  3. ハ. 14.29
  4. ニ. 24.75

解説

この問題は、以下の3ステップで解くことができます。

  1. 変圧器の二次定格電流 InI_n を求める In=P3×V=150×1033×210412.38[A]I_n = \frac{P}{\sqrt{3} \times V} = \frac{150 \times 10^3}{\sqrt{3} \times 210} \approx 412.38 [A]
  2. 百分率インピーダンス %Z\%Z を用いて短絡電流の倍率を考える 短絡電流 Is=100%Z×In=1005×In=20×InI_s = \frac{100}{\%Z} \times I_n = \frac{100}{5} \times I_n = 20 \times I_n
  3. 計算結果を合算する Is=20×412.38=8247.6[A]8.25[kA]I_s = 20 \times 412.38 = 8247.6 [A] \approx 8.25 [kA]

短絡電流と百分率インピーダンスの関係

百分率インピーダンス %Z\%Z とは、定格電流が流れたときに生じる電圧降下が、定格電圧の何パーセントにあたるかを示す値です。これを電気の言葉で言い換えると「電源電圧の何パーセントがインピーダンスで消費されるか」となります。

短絡事故が発生したとき、回路の抵抗やインダクタンス成分は変圧器自身の内部インピーダンスのみとなります。つまり、定格状態の %Z\%Z 分の電圧しかかかっていないにもかかわらず全電流を流そうとするため、電流は定格の 100/%Z100 / \%Z 倍まで跳ね上がることになります。本問では %Z=5[%]\%Z = 5[\%] なので、定格電流の 100/5=20100 / 5 = 20 倍の電流が流れるという理屈です。

短絡電流を導く思考回路

この問題を解く際の思考の軸は、短絡現象を「定格状態の延長線上にある特殊な負荷状態」として捉えることです。

まず、変圧器の容量から二次側の定格電流を算出します。三相回路の電力式 P=3VIP = \sqrt{3} V I を変形して二次側の定格電流 InI_n を導き出します。次に、短絡発生時の電流 IsI_s%Z\%Z を使って求めます。計算式の形として Is=In×(100/%Z)I_s = I_n \times (100 / \%Z) を覚えておくと、どのような数値設定であってもスムーズに答えにたどり着くことができます。最後に単位の変換に注意してください。求められている単位が [kA][kA] なので、8247.6[A]8247.6[A]8.2476[kA]8.2476[kA] と読み替える必要があります。

実務における短絡計算の重要性

この知識は、単に試験に合格するためだけでなく、電気設備の設計や安全管理を行う上で極めて重要です。なぜなら、配電盤に設置する遮断器(ブレーカー)の定格遮断容量を選定する際に、この短絡電流の計算が必須となるからです。

もし計算を誤り、予想される短絡電流よりも遮断容量の小さいブレーカーを設置してしまうと、事故発生時にブレーカーが短絡電流を遮断しきれず、焼損や爆発を引き起こす恐れがあります。この問題は、変圧器の能力から事故時の最大電流を予測し、適切な保護協調を図るという、電気技術者の基本的な安全設計能力を問う教育的意図が込められています。

参考リンク

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