第一種電気工事士試験 / 平成27年度 筆記試験 / 問8
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平成27年度 筆記試験 問8 解説 単相3線式回路の断線

設問図

図のような単相3線式回路(電源電圧210/ 105V)において,抵抗負荷A 50Ω,B 25Ω, C 20Ωを使用中に,図中の×印点Pで 中性線が断線した。断線後の抵抗負荷Aに 加わる電圧[V]は。 ただし,どの配線用遮断器も動作しなかった とする。

  1. イ. 0
  2. ロ. 60
  3. ハ. 140 ✓ 正答
  4. ニ. 210

解説

中性線が断線したときの負荷にかかる電圧は、回路を単純な直列回路と見なして分圧の法則を用いることで求められます。 今回のケースでは、抵抗負荷A(50Ω50\,\Omega)と負荷B(25Ω25\,\Omega)が電源電圧210V210\,\text{V}に対して直列に接続された状態となります。

計算手順は以下の通りです。

  1. 回路全体の合成抵抗を求めます:50+25=75Ω50 + 25 = 75\,\Omega
  2. 分圧の法則により、負荷Aにかかる電圧VAV_Aを計算します: VA=210×5075=210×23=140VV_A = 210 \times \frac{50}{75} = 210 \times \frac{2}{3} = 140\,\text{V}

中性線断線による回路状態の変化

単相3線式回路では、中性線が電源の中点とつながることで、各負荷に105V105\,\text{V}の電圧を安定して供給しています。しかし、中性線が断線すると、中性線を通じて電流が戻れなくなるため、電圧線(L1)と電圧線(L2)の間の210V210\,\text{V}の電圧を、2つの負荷が分け合う形になります。

このとき、各負荷の抵抗値によって電圧の配分が決まります。抵抗値が大きい方に高い電圧がかかるため、負荷のバランスが崩れている場合、本来の105V105\,\text{V}を大きく超える過電圧が発生することがあります。

直列回路としての電圧配分

この問題の本質は、中性線がなくなった回路をどう読み解くかという点にあります。中性線がなくなると、回路は図のように、電圧線から負荷A、負荷Bを経由して反対側の電圧線に戻る、単なる直列回路となります。

直列回路では、電源電圧は各抵抗の比率に応じて分割されます。電圧VVを抵抗R1R_1R2R_2に分ける場合、抵抗R1R_1にかかる電圧V1V_1は、以下の式で求められます。 V1=V×R1R1+R2V_1 = V \times \frac{R_1}{R_1 + R_2}

この考え方は、電気回路のあらゆるトラブルシューティングにおいて、電圧が不均等になる原因を探る際の基礎となります。

実務における中性線断線の危険性

この知識は、現場での事故防止に不可欠です。中性線が断線すると、負荷の不平衡(抵抗値のアンバランス)により、電圧が片側に偏ります。これにより、電圧が低くなる側の機器は動作不良を起こし、逆に電圧が高くなる側の機器は定格以上の電圧が加わることで焼損や火災に至る危険性があります。

試験問題としては抵抗値が与えられた計算問題ですが、実務では「中性線が切れたら機器が壊れる」という重大なリスクとして認識しておく必要があります。第一種電気工事士として、単相3線式回路の配線において、中性線の接続不良がどれほど危険かという構造を理解しておくことは非常に重要です。

参考リンク

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