平成27年度 筆記試験 問17 解説 風力発電の特性
風力発電に関する記述として, 誤っているものは。
- イ. 一般に使用されているプロペラ形風車は, 垂直軸形風車である。 ✓ 正答
- ロ. 風力発電装置は, 風速等の自然条件の変化により発電出力の変動が大きい。
- ハ. 風力発電装置は, 風の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。
- ニ. プロペラ形風車は, 一般に風速によって翼の角度を変えるなど風の強弱に合わせて出力を調整することができる。
解説
この問題は、風車形式の基本的な分類を知っていれば瞬時に解ける知識問題です。プロペラ形風車は、回転軸が地面に対して水平である「水平軸形」に分類されます。「垂直軸形」は、回転軸が地面に対して垂直なタイプ(ダリウス形やサボニウス形など)を指すため、選択肢イが誤りとなります。
風車の分類と構造の基本
風力発電の風車は、回転軸の向きによって大きく二つに分類されます。
- 水平軸形風車:プロペラ形に代表される形式です。回転軸が風向きに対して平行(水平)になります。風を効率よく受けるために、風向に合わせて向きを変える機構(ヨー制御)が必要です。現在、世界中で導入されている大規模な風力発電装置のほとんどはこのタイプです。
- 垂直軸形風車:回転軸が地面に対して垂直な形式です。風向に関係なく回転できるため、風向調整機構が不要という利点があります。しかし、水平軸形と比較して大型化が難しく、発電効率の面でも不利な場合が多いため、小規模な発電や都市部での利用などが主となります。
選択肢の判断プロセス
試験においては、以下の知識をセットで確認して選択肢を絞り込みます。
・選択肢イ:プロペラ形=水平軸と即座に判断します。したがってこれが誤りです。 ・選択肢ロ:風力発電は自然エネルギーを利用するため、出力が気象条件に左右されるという特性は正しい記述です。 ・選択肢ハ:風車の羽根(ブレード)が風を受けて回転する運動エネルギーを、発電機で電気エネルギーに変換するという基本原理です。 ・選択肢ニ:風速が強すぎる場合や弱すぎる場合に、ブレードの角度を変える(ピッチ制御)ことで、発電機の回転速度や出力を最適化する技術は、実機において不可欠な制御です。
再生可能エネルギーと発電技術の背景
風力発電は、発電時にCO2を排出しないクリーンなエネルギー源ですが、出力変動が大きいという課題があります。そのため、この問題のように「風車そのものの特性」だけでなく、「出力をどのように制御するか」という視点も非常に重要です。
試験においてこの分野が問われる背景には、第一種電気工事士が将来的に再生可能エネルギーの導入現場や、蓄電池システムと連携した分散型電源の設計・施工に関わる可能性が高まっていることがあります。風車の仕組みを理解することは、将来的なスマートグリッドやマイクログリッドの基礎を学ぶ第一歩となります。