第一種電気工事士試験 / 平成30年度 筆記試験(追加試験分) / 問33
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平成30年度 筆記試験(追加試験分) 問33 解説 受電設備容量

④で示す高圧受電盤内の主遮断装置に,限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器を使用できる受電設備容量の最大値は。

  1. イ. 200 kW
  2. ロ. 300 kW
  3. ハ. 300 kV・A ✓ 正答
  4. ニ. 500 kV・A

解説

高圧受電設備の主遮断装置として、限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(LBS)を採用できる受電容量の上限は 300 kVA300\text{ kVA} です。この数値は高圧受電設備規程において定められており、第一種電気工事士の試験では非常によく狙われる重要事項です。

受電容量に応じた主遮断装置の選定基準

高圧受電設備において、電力会社からの電気を最初に受ける箇所に設置される主遮断装置には、主に二つの選択肢があります。一つは真空遮断器(VCB)を用いる方式、もう一つは限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(LBS)を用いる方式です。

これら二つを使い分ける最大の判断基準が、受電設備の合計容量です。

  1. 受電容量が 300 kVA300\text{ kVA} 以下のとき 主遮断装置として限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(LBS)を使用することができます。これを一般的にPF-S形(電力ヒューズ・負荷開閉器形)と呼びます。

  2. 受電容量が 300 kVA300\text{ kVA} を超えるとき 主遮断装置には真空遮断器(VCB)を使用しなければなりません。これをCB形(遮断器形)と呼びます。

この 300 kVA300\text{ kVA} という境界線は、経済性と安全性のバランスから設定されています。

LBSが使用される理由と遮断能力の考え方

限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(LBS)は、その名の通り、負荷開閉器(スイッチ)に限流ヒューズを組み合わせた装置です。

負荷開閉器そのものには、短絡電流(ショートした際の巨大な電流)を遮断する能力はありません。その代わり、短絡電流が流れた際には組み込まれた限流ヒューズが溶断することで、回路を高速に切り離し、設備を保護します。

一方、真空遮断器(VCB)は、それ自体が短絡電流を遮断する能力を持っており、保護継電器(OCRなど)と組み合わせて精密な遮断制御が可能です。設備容量が大きくなると、事故時の影響も大きくなるため、より高度な保護ができるVCBが必要となりますが、小規模な 300 kVA300\text{ kVA} 以下の設備であれば、構造が単純で安価なLBSによる保護が認められています。

実務における教育的意図と活用場面

この知識は、単なる暗記項目ではなく、高圧受電設備(キュービクル)の設計やメンテナンスにおいて不可欠な判断材料です。

例えば、既存の受電設備のトランス(変圧器)を増設する際、増設後の合計容量が 300 kVA300\text{ kVA} を超えてしまうのであれば、主遮断装置をLBSからVCBへ作り替えなければならないという判断が求められます。これは工事の見積もりや設計の根本に関わる部分です。

試験においてこの問題が出題されるのは、受験者が「設備の規模に応じた適切な保護方式を選択できる能力」を持っているかを確認するためです。300 kVA300\text{ kVA} という数字を基準にして、図面の中にLBSが描かれていれば容量をチェックし、逆に大容量の図面であればVCBが選定されているかを確認する、という視点を持つことが重要です。

参考リンク

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