2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 問38 解説 電気工事士の業務範囲
電気工事士法において,自家用電気工作物 (最大電力500kW未満の需要設備)に係る電 気工事のうち「ネオン工事」又は「非常用予備発 電装置工事」に従事することのできる者は。
- イ. 認定電気工事従事者
- ロ. 特種電気工事資格者 ✓ 正答
- ハ. 第一種電気工事士
- ニ. 5年以上の実務経験を有する第二種電気工事士
解説
電気工事士法における資格の区分を問う問題です。この問題は「どの電気工事に、どの資格が必要か」という対応関係を記憶しているかどうかが鍵となります。
特殊な電気工事と資格の対応
電気工事士法では、電気工事の種類によって従事できる資格が厳密に定められています。特に「ネオン工事」および「非常用予備発電装置工事」の2つは、危険性が高く専門的な知識を要するため、通常の電気工事士の資格とは別に「特種電気工事資格者」という専門の資格が必要となります。
この試験で問われる資格の区分を整理します。
特種電気工事資格者 ネオン工事および非常用予備発電装置工事の施工に従事できる唯一の資格です。
第一種電気工事士 自家用電気工作物(500kW未満など)の全般的な工事に従事できますが、上記の2種類の工事については「特種電気工事資格者」の免状を受けている必要があります。
認定電気工事従事者 第一種電気工事士の免状保持者や、一定の実務経験を持つ第二種電気工事士などが講習を受けることで取得できる資格です。最大電力500kW未満の自家用電気工作物のうち、簡易的な工事(600V以下で使用する自家用電気工作物)に従事できますが、ネオン工事や非常用予備発電装置工事には従事できません。
資格の優先度とひっかけを見抜く
試験で迷いやすいのが「第一種電気工事士もできるのではないか?」という点です。確かに第一種電気工事士は自家用電気工作物の工事を行えますが、それはあくまで「一般的な自家用電気工作物の工事」の範囲内です。ネオン工事のような特殊なものについては、法的に「特種電気工事資格者」でなければならないと明確に規定されています。
設問で「従事することのできる者は」と問われた際、選択肢に複数の資格が含まれていても、より直接的かつ法的にその工事を行う資格として定義されているものを選ぶのが正解への道筋です。この問題は、電気工事の種類と資格の対応関係を正確に暗記しているかを試す典型的な知識問題です。
現場で求められる法令遵守の精神
この問題の教育的意図は、単なる暗記の確認にとどまりません。電気工事士として現場に出た際、自分の持っている免状で「どの範囲までの作業が可能か」を正確に判断することは、保安上の最も重要な責任です。
万が一、資格の範囲を超えてネオン工事や非常用発電機の設置を行えば、電気工事士法違反となるだけでなく、重大な事故を招く危険性があります。例えば、非常用予備発電装置は停電時に建物全体を支える命綱であり、施工ミスがあれば人命に関わります。このような「特殊な工事」には「特別な資格が必要である」という意識を持つことは、プロの技術者として非常に重要なマインドセットです。