令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 問38 解説 電気用品安全法
「電気工事士法」及び「電気用品安全法」 において,正しいものは。
- イ. 交流50Hz用の定格電圧100V,定格消費電力56Wの電気便座は,特定電気用品ではない。
- ロ. 特定電気用品には,(PS)Eと表示されているものがある。
- ハ. 第一種電気工事士は,「電気用品安全法」に基づいた表示のある電気用品でなければ,一般用電気工作物の工事に使用してはならない。 ✓ 正答
- ニ. 電気用品のうち,危険及び障害の発生するおそれが少ないものは,特定電気用品である。
解説
この問題は、電気工事士として守るべき「法的な義務」と、製品に付与される「PSEマークの意味」を理解しているかを問うものです。正解を導くには、電気用品安全法が定める技術基準適合のルールを特定することに尽きます。
電気用品安全法の表示義務
電気工事士法において、一般用電気工作物の工事に使用する電気用品は、電気用品安全法に基づく表示(PSEマーク)があるものに限られています。これは、工事に使用する部材や機器の安全性を担保するための根拠です。したがって、ハが正しいことは即座に判断できます。
特定電気用品とそれ以外の区別
各選択肢を判断するために必要な知識は以下の通りです。
イについて:電気便座は一般的に電気用品安全法の対象であり、電気温水器などの機能を持つものは特定電気用品に該当する場合が多いです。定格消費電力の大小にかかわらず、法的な適合性が問われます。
ロについて:これが誤りである理由は、マークの表記ルールにあります。特定電気用品には菱形のPSEマーク(
ニについて:特定電気用品とは、構造、使用方法、その他の使用状況からみて、危険又は障害の発生するおそれが特に大きいと認められるものを指します。「おそれが少ないもの」は、特定電気用品以外の電気用品に分類されます。
法的知識を現場でどう活かすか
この問題の教育的意図は、単なる知識の暗記ではなく「信頼性のない部材を工事に使ってはいけない」という電気工事士の倫理的・法的な責務を再確認させることにあります。
現場において、安価な海外製品や無名のメーカー品を使用する場合、必ず筐体やパッケージにPSEマークが刻印されているかを確認しなければなりません。万が一、不適切な製品を使って事故が発生した場合、施工した電気工事士が責任を問われることになります。
特に、特定電気用品(菱形マーク)は、第三者検査機関による適合性検査が義務付けられており、丸形よりも安全要求水準が高いとされています。実務では、単にマークがあるかだけでなく、その種類が工事の対象物に対して適切かを見極める力が求められます。