第一種電気工事士試験 / 令和3年度 下期 学科試験 / 問32
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令和3年度 下期 学科試験 問32 解説 高圧受電設備の機器構成

設問図

問30から問34までは,下の図に関する問いである。 図は,自家用電気工作物内の高圧受電設備を表した図である。 この図に関する各問いには,4通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して,答えを1つ選びなさい。 〔注〕図において,問いに直接関係のない部分等は,省略又は簡略化してある。

  1. ✓ 正答

解説

この問題の正解を導くための判断基準は、電気設備技術基準における「限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF・S形)」の適用範囲に関する規定です。この機器を使用する場合の受電容量は、原則として300 kVA以下と定められています。したがって、選択肢ハの300 kVAが正解となります。

PF・S形受電設備の特徴と適用条件

高圧受電設備において、主遮断装置として使用される代表的なものに、遮断器(CB)を用いる方法と、限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF・S形)を用いる方法があります。

CB形は主に大容量の設備に使用されますが、構造が複雑で高価です。一方で、PF・S形はヒューズと負荷開閉器を組み合わせたもので、比較的安価かつコンパクトに構築できるため、小規模な需要設備によく採用されます。

ただし、PF・S形はあくまでも限流ヒューズの溶断によって短絡事故を遮断する仕組みであるため、大容量の設備で発生する非常に大きな短絡電流を確実に遮断するには限界があります。そのため、経済性と安全性のバランスを考慮し、技術基準によって受電容量の制限が設けられています。

なぜ300 kVAという基準が重要なのか

実務においてこの知識が重要な理由は、設計段階での「コスト削減」と「安全性の確保」のトレードオフを判断するためです。

もし計画している受電設備が300 kVA以下であれば、PF・S形を採用することで初期投資を抑えた設備設計が可能になります。逆に、将来的な増設を見越して300 kVAを超えるような設計にする場合は、最初からCB形の採用を前提とする必要があります。

試験問題としては、数値の「300」という記憶に加えて、単位の「kVA(キロボルトアンペア)」を正しく認識できているかが問われています。選択肢にある「kW(キロワット)」との混同を誘うひっかけ問題ですが、電気設備の容量を表す単位は皮相電力であるkVAが基本であることを再確認しておきましょう。

実務と試験での繋がり

この問題は、単なる暗記項目ではなく、電気工事士が現場で設計図面を確認する際に「この設備構成で本当に法規に適合しているか」を判断する第一歩となる知識です。

試験対策としては、以下のルールをセットで覚えておくと強固になります。

  1. PF・S形(限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器):300 kVA以下
  2. それを超える場合や、より高度な保護が必要な場合:遮断器(CB)を採用

この区分けを理解しておくことで、試験の正答率が上がるだけでなく、現場で高圧受電設備の主遮断装置を見たときに、その設備の規模感を直感的に把握できるようになります。

参考リンク

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