第一種電気工事士試験 / 令和3年度 下期 学科試験 / 問34
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令和3年度 下期 学科試験 問34 解説 高圧受電設備の機器構成

設問図

問30から問34までは,下の図に関する問いである。 図は,自家用電気工作物内の高圧受電設備を表した図である。 この図に関する各問いには,4通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して,答えを1つ選びなさい。 〔注〕図において,問いに直接関係のない部分等は,省略又は簡略化してある。

  1. ✓ 正答

解説

この問題は、可とう導体(フレキシブル導体)の設置目的と、それに伴う施工上の禁止事項を正しく理解しているかを問うものです。不適切な選択肢を見抜くポイントは、「可とう導体の柔軟性を損なうような施工をしていないか」という点にあります。

可とう導体の役割と物理的特性

可とう導体は、編組した銅線などを積層して作られた柔軟な導体です。剛体である銅バー(母線)同士を接続する際に、振動、熱膨張・収縮による伸縮、地震時の変位を吸収するために使用されます。

この導体の最大の特徴は「柔軟性」です。したがって、設置にあたっては、その柔軟性を犠牲にしない施工が求められます。具体的には、以下の考え方が重要になります。

  • 物理的な拘束を避ける: 導体が自由に動けるだけの長さ(余裕)を確保する必要があります。
  • 接続部の安定性: 柔軟とはいえ、接続部は確実に固定されている必要があり、振動で緩まないような対策が必要です。
  • 電磁力への耐性: 短絡電流が流れた際、大きな電磁力が発生して導体が激しく振動したり、変形したりします。この際に隣接する機器や導体と接触しないような離隔距離の確保や、過度な拘束を避ける配慮が必要です。

不適切な選択肢を判断する思考プロセス

試験で可とう導体に関する問題が出題された場合、選択肢が以下のいずれかに当てはまっていないかを検討してください。

  1. 可とう導体を無理に引き延ばして設置していないか
  2. 振動吸収の目的を無視して、過度に固く固定しようとしていないか
  3. 短絡時の電磁力による挙動を考慮せず、他の電線や筐体と接触するような配置になっていないか

今回の問題において「イ」が不適切とされる典型的な理由は、可とう導体の可とう性(柔軟性)を阻害する施工が行われている、あるいは、接続部に対する機械的なストレスを考慮していない記述が含まれているケースがほとんどです。設問で示された図において、可とう導体の「ゆとり」が確保されていないものや、接続方法が剛体と同じようにガチガチに固定を強要する記述があれば、それが正解(不適切なもの)となります。

実務における重要性

この知識は、変電設備や大型の受配電盤の設計・施工において非常に重要です。特に、耐震基準が厳しくなっている現代の建物では、受電設備から盤内への接続において、地震の揺れによる母線の破断や絶縁破壊を防ぐために可とう導体の活用は必須です。

現場で配線を扱う際、「きれいに配線する」ことばかりを優先して、導体をピンと張り詰めてしまうと、熱膨張や微細な振動を吸収できず、ボルト締結部に応力が集中してしまいます。これにより、経年変化でボルトが緩んだり、接触不良が発生して異常発熱を招いたりするリスクがあります。つまり、可とう導体を使う際は、多少の「たるみ」や「遊び」を持たせることが、設備の信頼性を担保するための合理的な設計判断となるのです。

参考リンク

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