令和3年度 上期 筆記試験 問47 解説 接地線の太さ
⑦で示す機器の接地線(軟銅線)の太さ の最小太さは。
- イ. 5.5 mm²
- ロ. 8 mm²
- ハ. 14 mm² ✓ 正答
- ニ. 22 mm²
解説
避雷器の接地線は14mm²と覚える
本問は、高圧受電設備に設置される避雷器(LA)の接地線太さを問う問題です。結論から言えば、避雷器の接地には「軟銅線で14mm²以上」という規定があります。
避雷器と接地工事の規定
電気設備技術基準および内線規程において、避雷器を設置する場合の接地線には厳しい制限が設けられています。これは、雷サージという非常に大きなエネルギーを地面に逃がす際、接地線の抵抗や太さが不足していると、大きな電圧降下が発生し、避雷器本来の保護能力が発揮できないためです。
一般的に高圧機器の接地には様々な規定がありますが、避雷器については以下のルールが適用されます。
- 接地工事の種類:A種接地工事(ただし、避雷器専用の接地とすることが望ましい)
- 接地線の最小太さ:14mm²以上
選択肢にある5.5mm²や8mm²は、他の小規模な機器や低圧の接地には使われることがありますが、雷という強大な電流を扱う避雷器には不足していると判断されます。
なぜ14mm²という数字なのか
この思考プロセスは、単なる暗記ではなく「大きな電流を通すための道幅」として理解すると忘れにくくなります。
雷の電流は極めて短時間で数千〜数万アンペアに達します。もし接地線の太さが細ければ、導体としての抵抗分によって高電圧が発生し、その電位が避雷器と接続されている機器側へ逆流してしまう(逆フラッシオーバ)リスクが高まります。そのため、物理的な断面積を確保し、インピーダンスを極力下げる必要があるのです。
試験対策としては、以下の分類を頭に入れておくと整理しやすいです。
- 避雷器の接地線:14mm²以上
- 高圧機器の鉄台などのA種接地:6mm²以上
- その他の接地工事:用途や遮断器の種別により変化
実務での重みと試験の意図
実務の現場では、避雷器の接地線が細いと、いざという時に避雷器が破損するだけでなく、近くにある機器まで破壊される原因となります。第一種電気工事士試験において、この数値を問う意図は、単に知識を暗記させること以上に、避雷器がいかに特殊で重要な保護装置であるかを認識させることにあります。
試験本番では、単線図の中に描かれた避雷器(三角形の記号が特徴的です)を見つけたら、その瞬間に「14」という数字を想起できるように訓練しておきましょう。他の接地線との引っかけ問題として出題されやすいため、機器の種類と太さのセットで記憶を定着させることが合格への近道です。