第一種電気工事士試験 / 令和5年度 学科試験 / 問11
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令和5年度 学科試験 問11 解説 V結線の利用率

同容量の単相変圧器2台をV結線し, 三相 負荷に電力を供給する場合の変圧器1台当た りの最大の利用率は。

  1. イ. 1/2
  2. ロ. √2/2
  3. ハ. √3/2 ✓ 正答
  4. ニ. 2/√3

解説

V結線の利用率を求める手順

変圧器1台の容量を PP としたとき、V結線による三相の合計出力は 3P\sqrt{3}P です。一方、変圧器2台を合計した設備容量は 2P2P です。利用率は「実際に供給できる出力」を「設置した設備の合計容量」で割ることで求められるため、以下の式で導出します。

利用率=3P2P=320.866\text{利用率} = \frac{\sqrt{3}P}{2P} = \frac{\sqrt{3}}{2} \fallingdotseq 0.866

この値である約86.6%が、V結線における変圧器の利用率となります。

なぜ変圧器の定格を超えて利用できないのか

単相変圧器を3台使ったデルタ結線であれば、変圧器3台分の合計容量 3P3P をそのまま出力として利用できます。しかし、V結線では変圧器を1台減らしているため、単純に考えても容量は 2/32/3 になるはずです。

ところが、V結線の出力は 2/32/3(約0.667)ではなく、3/2\sqrt{3}/2(約0.866)という高い値になります。これは、2台の変圧器が三相交流の位相差を巧みに利用して協力し合い、個々の変圧器の定格容量をわずかに超えるような挙動で電力を供給しているためです。この「効率の良さ」がV結線の最大の特徴ですが、あくまで設備全体(2台分)の容量に対して86.6%しか使い切れないという制約があることを押さえる必要があります。

現場で直面する設備選定の考え方

この問題は、試験対策として数値を暗記するだけでなく、実務における「経済性と供給能力のバランス」を理解するために重要です。

例えば、小規模な動力設備であれば、最初から高価で場所をとるデルタ結線用の変圧器3台を設置するよりも、まずはV結線でスタートし、将来的に負荷が増加した段階で変圧器を1台追加してデルタ結線へ移行するという計画が立てられます。この際、「V結線では全容量の86.6%までしか使えない」という前提を知らなければ、過負荷による焼損事故を招く恐れがあります。

この問題の教育的意図は、単に計算式を覚えることではなく、変圧器を減らすことで生じる「コスト削減」と、それに伴う「最大出力の低下」というトレードオフの関係を、計算上の根拠を持って判断できるようになることにあります。

参考リンク

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