第一種電気工事士試験 / 令和7年度 上期 第一種 学科試験 (出題例) / 問13
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令和7年度 上期 第一種 学科試験 (出題例) 問13 解説 サイリスタ回路の波形

設問図

図に示すサイリスタ(逆阻止3端子サイリ スタ)回路の出力電圧v0の波形として, 得る ことのできない波形は。 ただし, 電源電圧は正弦波交流とする。

選択肢図
  1. ✓ 正答

解説

この問題は、サイリスタの基本的な動作原理である「一方向のみに電流を流す(整流作用)」と「ゲート制御による位相角の調整」の性質を見抜くことで解けます。得ることのできない波形を選ぶため、出力電圧 v0v_0 が負の値になっているもの、あるいは全波整流のような動作をしている選択肢を探します。

サイリスタの基本性質と整流回路

サイリスタは、ダイオードに「ゲート」という制御端子を追加したような半導体素子です。ダイオード同様に順方向には電流を流しますが、逆方向には電流を流さない「逆阻止」の性質を持っています。

電源として正弦波交流が印加されているとき、この回路は単相半波整流回路として動作します。

  1. 交流電圧がプラスの半周期のとき、ゲートに信号を送ることで任意のタイミング(点弧角)から電流を流し始めることができます。
  2. 交流電圧がマイナスの半周期のとき、サイリスタは逆バイアス状態となるため、ゲート信号の有無にかかわらず電流は遮断されます。

したがって、この回路から出力される電圧波形 v0v_0 は、常に v00v_0 \ge 0 となり、正の半周期の一部のみが切り出された形状になります。

出力波形の判定プロセス

与えられた選択肢を分析します。

  • イ、ロ、ハの波形:これらは正弦波のプラス側の山を一部カットした形や、全周期を通した形です。いずれも負の電圧部分が含まれておらず、サイリスタ単体による半波整流回路として成立します。
  • ニの波形:この波形は、プラス側の半周期だけでなく、マイナス側の半周期にも電圧が出力されています。サイリスタ単体では逆方向の電流を阻止するため、マイナス側の波形をそのまま出力することは物理的に不可能です。

このことから、マイナス側の成分(負の電圧)が含まれている選択肢ニが、サイリスタ単体の回路では得ることのできない波形であると判断できます。

電気設備実務とサイリスタ制御の重要性

第一種電気工事士の試験において、サイリスタ回路の理解は、単に波形を見分けるだけでなく、電力制御機器の仕組みを理解する上で重要です。

例えば、電熱器の温度制御や、照明の調光、モーターの速度制御など、産業現場ではサイリスタを用いた位相制御が広く活用されています。現場では「どのタイミングでスイッチを入れるか(点弧角)」によって、負荷に供給される実効電圧をコントロールします。この仕組みを理解していれば、波形の正誤を問う問題だけでなく、回路図からどのような制御が行われているかを読み解く力が身につきます。

参考リンク

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