令和5年度 下期 学科試験(午前) 問5 解説
図のような電源電圧 E [V] の三相3線式回路で、図中の×印点で断線した場合、断線後の a-c 間の抵抗 R [Ω] に流れる電流 I [A] を示す式は。
- イ. E/2R
- ロ. E/√3R
- ハ. E/R ✓ 正答
- ニ. 3E/2R
解説
この問題の解き方は、断線後の回路がどのような状態になっているかを整理することです。×印で断線すると、その経路を通る電流はゼロになります。回路図を見ると、a-c間の抵抗 は、電源電圧 [V] がそのまま両端にかかる形になります。したがって、オームの法則 を適用して、 となります。
回路の変化を読み解くポイント
この問題で重要なのは、複雑に見える三相3線式回路が、断線によって単純な単相回路に変化したと見なす力です。
flowchart LR E["電源 E"] --> Rac["a-c間の抵抗 R"] Rac --> E X["×断線した経路"] -.電流0A.-> Dead["他経路"]
元の回路はデルタ(Δ)結線されていますが、下側の線が断線することで、電源との接続が一部切断されます。このとき、a-c間の抵抗 に注目すると、電源のプラス側とマイナス側が、他の抵抗を経由することなく直接この に接続されていることがわかります。
つまり、他の抵抗や複雑な結線関係を無視して、電源 [V] に抵抗 [] がひとつだけ並列につながっている「単相2線式」のような状態として考えることができるのです。
知識の活用シーン
この手の「断線問題」は、試験で頻出です。特に三相回路の不平衡状態や、中性線が断線した単相3線式回路の問題などが代表的です。
- 回路の切り出し: 試験会場で焦ったときは、まず「電流が流れる道筋はどこか?」を指でなぞってみてください。断線箇所を無視して、電気が通れるルートだけを書き直すと、見慣れた簡単な回路図になります。
- オームの法則の基本: 多くの計算問題が複雑そうに見えても、結局は か に落ち着きます。まずは基本式が使える場所を探すのが、正解への近道です。
この問題のパターンを理解しておけば、万が一現場で一部の電線が断線した際、どの部分にどれだけの電圧がかかり、どの程度の電流が流れるのかを予測する基礎的な考え方としても役立ちます。