第二種電気工事士 / 令和7年度 上期 学科試験 / 問3
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令和7年度 上期 学科試験 問3 解説

電線の接続不良により,接続点の接触抵抗が0.2Ωとなった。この電線に10Aの電流が流れると,接続点から1時間に発生する熱量[kJ]は。ただし,接触抵抗の値は変化しないものとする。

  1. イ. 72 ✓ 正答
  2. ロ. 144
  3. ハ. 288
  4. ニ. 576

解説

この問題は、電流によって発生する熱量(ジュール熱)を求める計算問題です。以下の3ステップで正解を導き出すことができます。

  1. 電力の公式 P=I2RP = I^2 R で、1秒あたりの熱量(ワット)を出す。
  2. その値に時間(秒)を掛けて、全体の熱量(ジュール)を出す。
  3. 単位を [J] から [kJ] に変換する。

熱量を求める計算手順

発生する熱量 HH [J] は、電流 II [A]、抵抗 RR [Ω\Omega]、時間 tt [s] を用いて、次の式で表されます。

H=I2×R×tH = I^2 \times R \times t

この問題で注意すべきポイントは、時間の単位です。公式に当てはめる時間は「秒」であるため、1時間を3600秒に換算して計算する必要があります。

flowchart LR
    step1["電流の2乗\n10 × 10 = 100"] --> step2["抵抗を掛ける\n100 × 0.2 = 20W"]
    step2 --> step3["時間を秒で掛ける\n20 × 3600秒"]
    step3 --> step4["結果\n72,000 J"]
    step4 --> step5["単位を変換\n72 kJ"]

具体的な計算式は以下の通りです。

H=102×0.2×3600H = 10^2 \times 0.2 \times 3600 H=100×0.2×3600H = 100 \times 0.2 \times 3600 H=20×3600H = 20 \times 3600 H=72,000H = 72,000 [J]

最後に、解答の選択肢は [kJ] 単位であるため、1,000J = 1kJ として換算します。 72,000÷1,000=7272,000 \div 1,000 = 72 [kJ]

したがって、正解は「イ」となります。

この知識が実務や試験でどう使われるか

この計算の基礎となっているのは、電流が流れると熱が発生するという「ジュールの法則」です。第二種電気工事士の試験では、今回の計算問題だけでなく、実務上の注意点としてもこの概念が頻出します。

接続点の接触抵抗による発熱 電線の接続が不完全(ゆるみなど)だと、その部分に接触抵抗が生じます。この問題のように、わずか0.2Ω\Omegaという小さな抵抗であっても、大きな電流が流れ続けると、接続部が異常過熱します。これが原因で電線の絶縁被覆が溶けたり、周囲の可燃物に引火したりする「電気火災」のリスクを理解しておくことが重要です。

電力量との関係 熱量の単位 [J](ジュール)は、電力量の単位 [W・s](ワット秒)と同じです。もし問題が「1時間に使用した電力量 [kW・h] は」という問いであれば、3600秒を掛けるのではなく、単に「電力 [kW] × 時間 [h]」で計算します。熱量を求めるときは「秒」に直す、電力量を求めるときは単位指定([W・s] か [kW・h] か)に合わせる、という使い分けが合格へのポイントです。

同じパターンの問題では、電流の値が2倍になると熱量は「4倍(2の2乗)」になるという点もよく問われます。数式 H=I2RtH = I^2 R t において、電流 II が2乗されていることを意識しておくと、ひっかけ問題にも対応しやすくなります。

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