令和7年度 上期 学科試験 問5 解説
図のような三相3線式回路に流れる電流I[A]は。
- イ. 8.3
- ロ. 11.6 ✓ 正答
- ハ. 14.3
- ニ. 20.0
解説
この問題は、1.インピーダンスの計算、2.スター結線における相電圧の算出、3.オームの法則による電流計算、の3ステップで解きます。
手順は以下の通りです。
- 1相あたりのインピーダンス を求める:
- 負荷1つ分にかかる電圧(相電圧) を求める:
- 電流 を求める:
flowchart TD A[R=8Ω, X=6Ω] --> B[Z=√(R²+X²)=10Ω] C[線間電圧 V=200V] --> D[相電圧 Vp=V/√3] B --> E[I=Vp/Z] D --> E E --> F[I=20/√3 ≒ 11.6A]
インピーダンスの計算 交流回路において、抵抗 とリアクタンス が直列に接続されている場合、全体の電気抵抗であるインピーダンス は三平方の定理を用いて計算します。 今回の数値は 、コイルのリアクタンス です。これを式に当てはめると となります。 第2種電気工事士の試験では「3:4:5」や「6:8:10」といった、計算結果が整数になる直角三角形の比率が非常によく使われます。これを知っておくと計算時間を短縮できます。
スター結線における電圧と電流の関係 図のように、3つの負荷が中心の1点でつながっている接続方式をスター結線(Y結線)と呼びます。スター結線には、計算上非常に重要な2つのルールがあります。
- 線電流 は、負荷を流れる相電流 と等しい。
- 相電圧 は、線間電圧 を で割った値になる()。
図で与えられている 200 V は線間電圧ですので、実際に 10 のインピーダンスにかかる電圧は になります。この (約1.73)で割るという工程を忘れると正解に辿り着けません。
電流 の算出 最後にオームの法則 に、求めた数値を代入します。 ここで を として計算します。 選択肢の中で最も近い値は、ロの 11.6 です。
問題パターンの見極め 三相3線式の計算問題では、まず「スター結線(Y)」か「デルタ結線(Δ)」かを見極めるのが鉄則です。 ・スター結線:電圧を で割る(今回のパターン)。 ・デルタ結線:電圧はそのまま 200 V を使い、求めた電流を 倍する。 どちらの結線でも必ず が計算に関わってきますが、電圧を操作するのか電流を操作するのかが異なります。図を見て「真ん中で1点に集まっているからスター結線だ、電圧を で割ろう」と即座に判断できるように練習しましょう。