第二種電気工事士 / 令和7年度 上期 学科試験 / 問6
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令和7年度 上期 学科試験 問6 解説

設問図

図のような単相2線式回路において,配線の長さは100m,負荷電流は10Aで,抵抗負荷が接続されている。配線の電圧降下(Vs-Vr)を4V以内にするための電線の最小太さ(断面積)[mm2]は。ただし,電線の抵抗は表のとおりとする。

  1. イ. 5.5
  2. ロ. 8
  3. ハ. 14 ✓ 正答
  4. ニ. 22

解説

単相2線式配線における電圧降下の計算問題です。以下の手順で解き進めます。

  1. 電圧降下の公式 V=2×I×RV = 2 \times I \times R を用いて、許容される電線の抵抗値を算出する。
  2. 算出した抵抗値以下となる電線を、表の中から選定する。
flowchart TD
  A[条件: V≤4V, I=10A, L=100m=0.1km] --> B[単相2線式: V=2IR]
  B --> C[4 ≥ 2×10×(r×0.1)]
  C --> D[r ≤ 2Ω/km]
  D --> E[表で r≤2 を満たす電線を抽出]
  E --> F[14mm²(1.30) と 22mm²(0.82)]
  F --> G[最小断面積を選択 → 14mm²]

まず、単相2線式では「行き」と「帰り」の2本の電線に電流が流れるため、電圧降下は電線1本分の抵抗による電圧降下 IRIR を2倍した 2IR2IR で計算します。問題の条件を整理すると以下の通りです。

電圧降下 V=4V = 4 V 以内 負荷電流 I=10I = 10 A 配線の長さ L=100L = 100 m 電線 11 km あたりの抵抗を rr [Ω\Omega/km] とします。

配線の長さ 100100 m は 0.10.1 km ですので、配線の抵抗 RRr×0.1r \times 0.1 と表せます。これらを公式にあてはめます。

42×10×(r×0.1)4 \ge 2 \times 10 \times (r \times 0.1)

この式を rr について解きます。

42×r4 \ge 2 \times r r2r \le 2 [Ω\Omega/km]

11 km あたりの抵抗値が 22 Ω\Omega 以下であれば、電圧降下を 44 V 以内に抑えることができます。提示された表の「11 km 当たりの導体抵抗」を確認すると、以下のようになります。

5.55.5 mm2mm^23.333.33 Ω\Omega/km(22 を超えるため不可) 88 mm2mm^22.312.31 Ω\Omega/km(22 を超えるため不可) 1414 mm2mm^21.301.30 Ω\Omega/km(22 以下のため適合) 2222 mm2mm^20.820.82 Ω\Omega/km(22 以下のため適合)

条件を満たす中で最小の太さ(断面積)を選ぶため、正解は 1414 mm2mm^2 の「ハ」となります。

この問題で最も重要な知識は、配線方式による公式の使い分けです。単相2線式は「2本分」なので 2IR2IR ですが、三相3線式では 3IR\sqrt{3}IR となり、単相3線式(各相の負荷が平衡している場合)では 11 本分の電圧降下のみを考慮して IRIR で計算します。第2種電気工事士の計算問題では、この単相2線式の 2IR2IR を使うパターンが非常によく出題されます。

実務においても、電圧降下の計算は極めて重要です。電線には必ず抵抗があるため、配線が長くなればなるほど、末端の電圧は電源電圧よりも低下します。電圧が下がりすぎると、照明が暗くなったり、モーターが起動しなくなったりするなどの障害が発生します。そのため、長い距離の配線を行う場合には、許容電流を満たすだけでなく、あえて太い電線を選定して電圧降下を抑える設計が必要になります。

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