令和7年度 上期 学科試験 問7 解説
図のような単相3線式回路において,電線1線当たりの抵抗が0.1Ωのとき,a-b間の電圧[V]は。
- イ. 99
- ロ. 100 ✓ 正答
- ハ. 101
- ニ. 102
解説
単相3線式回路の電圧計算では、中性線に流れる電流の大きさと向きを正しく把握することが重要です。まず中性線に流れる電流を求め、次に各電線での電圧降下を計算し、最後に電源電圧からそれらを差し引くことでa-b間の電圧を求めます。
計算の手順は以下の通りです。
flowchart TD A[上側20A, 下側10A] --> B[中性線電流 In=20-10=10A] B --> C[上線降下: 20A×0.1Ω=2V] B --> D[中性線降下: 10A×0.1Ω=1V] E[電源電圧 103V] --> F[a-b電圧=103-2-1] C --> F D --> F F --> G[100V]
中性線に流れる電流を求める 上側の負荷に 、下側の負荷に 流れているため、その差である ()が中性線に流れます。電流の向きは、負荷の大きい側から戻ってくる方向、つまり図のb点から電源の中性点へ向かう方向となります。
各電線の電圧降下を求める オームの法則(電圧 = 電流 × 抵抗)を使い、それぞれの電線で失われる電圧を計算します。 ・一番上の電線: ・真ん中の中性線:
a-b間の電圧を算出する 電源の電圧 から、a点にたどり着くまでの電圧降下と、b点から戻る際の中性線の電圧降下を差し引きます。
この問題の鍵となる知識は、単相3線式における不平衡負荷の考え方です。上下の負荷電流が等しい平衡状態であれば中性線に電流は流れませんが、今回のように電流に差がある場合は、その差分の電流が中性線を流れます。
この知識は、試験では「中性線が断線したときの電圧上昇」や「回路全体の電力損失」を問う問題でも応用されます。単相3線式は日本の一般住宅で最も普及している配線方式であり、負荷のバランスが崩れると特定のコンセントの電圧が変動するという実務上のリスクを理解するためにも非常に重要な概念です。
注意点として、a-b間の電圧を求める際は、上側の電線と中性線の両方の電圧降下を考慮しなければなりません。もし下側の電圧(b-c間)を問われた場合は、中性線の電流の向きによって電圧が加算されるケースもあるため、電流の流れる向きと電位の関係を意識して解く習慣をつけると、より複雑なパターンにも対応できるようになります。