平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問7 解説 定期発注方式の計算
一定期間ごとに最適量を発注する方式を定期発注方式という。この定期発注方式で 購買品を調達するに当たり,発注サイクルを10日,納入リードタイムを5日,1日の 平均消費量を50個,安全在庫量を30個とした場合,今回の発注量は幾らか。ここで, 発注は,発注日の消費終了後に行うものとし,今回の発注時点での在庫量は300個で, 発注残はないものとする。
- 420
- 450
- 480 ✓ 正答
- 530
解説
発注量 = (発注サイクル + 納入リードタイム)× 1日の平均消費量 + 安全在庫 -(現在在庫 + 発注残)の式に数値を当てはめて計算します。
(10 + 5)× 50 + 30 - 300 = 480個
定期発注方式における「発注量」の考え方
定期発注方式とは、あらかじめ決められた一定の期間ごとに在庫状況を確認し、その都度必要な量を発注する管理方式です。この方式において重要なのは、次回の発注タイミングまでに「在庫切れを起こさないようにすること」です。
そのためには、次の発注が来るまでの期間(発注サイクル)と、注文してから商品が届くまでの期間(リードタイム)を合わせた「在庫を守らなければならない期間」全体の消費量をカバーし、さらに不測の事態に備えた安全在庫を確保する必要があります。これら合計の必要量から、今手元にある在庫(現在在庫とまだ届いていない発注残)を差し引いたものが、今回発注すべき適正な量となります。
数式を組み立てる思考プロセス
この問題を解く際のステップは以下の通りです。
最大でどれだけの在庫が必要かを把握する 今回、次の発注が届くまでの期間は「発注サイクル(10日)」と「リードタイム(5日)」を足した15日間分です。この期間に消費される在庫は、1日あたり50個なので「15 × 50 = 750個」となります。
安全在庫を加味する 計算上の必要量(750個)に、万が一の事態に備えた「安全在庫(30個)」を加えます。これで「持っておくべき在庫」の目標値は「750 + 30 = 780個」になります。
不足分を算出する 今手元にある在庫(300個)と、すでに注文済みで到着待ちの在庫(今回は0個)を合わせると「300個」です。目標値である780個から、今ある在庫300個を差し引けば、今回注文すべき量は「480個」と導き出せます。
在庫管理の仕組みが社会に与える影響
この知識は、小売業や製造業におけるサプライチェーンマネジメント(SCM)の根幹をなすものです。
もし発注量が少なすぎれば欠品が発生して販売機会を損失し、逆に多すぎれば在庫を保管するためのスペースやコストが浪費されます。ITパスポートでこの計算を学ぶ意義は、単に数式を暗記することではなく、「時間(リードタイム・サイクル)」と「量(消費量・在庫)」の関係性を論理的に整理する力を養うことにあります。
現代のECサイトや倉庫管理システム(WMS)では、これらの数値が自動的に計算され、在庫が一定以下になるとアラートが出る、あるいは自動発注される仕組みが組み込まれています。システムが自動で発注を行う裏側でも、今回のような数学的な考え方がアルゴリズムとして活用されているのです。