平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問17 解説 ITサービスの種類
情報システムのサービスを行っているA社は,B社に対して表に示す分担で施設や 機器などを提供する契約を締結した。A社が提供するサービスの内容として,適切な ものはどれか。
- ア SaaS
- イ システム開発の受託
- ウ ハウジングサービス
- エ ホスティングサービス ✓ 正答
解説
この問題は、誰がどこまでのリソース(物理的な場所、ハードウェア、ソフトウェア)を用意するかという「責任範囲」を見極めることで解けます。
今回のケースでは、施設とサーバ(機器)の両方をA社が用意し、その上で動かすアプリケーションのみをB社が担当しています。この「ハードウェアまでを借りて、OSやソフトは自分で管理する」という構成がホスティングサービスの特徴です。
ハウジングとホスティングの違いを理解する
この種の問題で混同しやすいのがハウジングとホスティングです。判断基準は「誰のサーバを使うか」にあります。
ハウジングサービスは、データセンターという「場所」や「電源」「通信回線」だけを借りるサービスです。サーバ本体は利用者が持ち込み、自分で構築・管理します。
一方、ホスティングサービスは、データセンターのスペースだけでなく、そこにある「サーバ機器そのもの」を貸し出すサービスです。今回の問題のように、A社が機器まで提供している場合はホスティングとなります。
選択肢を分類して絞り込む
提示された選択肢は、クラウドコンピューティングやアウトソーシングにおけるサービス提供範囲の違いを表しています。
- SaaS: ソフトウェアそのものをインターネット経由で利用する形態です。ハードウェアやOSの管理はすべて提供側が行います。
- システム開発の受託: プログラムを設計・構築すること自体を請け負う契約であり、継続的なリソース貸し出しとは性質が異なります。
- ハウジングサービス: 施設(場所や設備)のみを提供し、利用者が機器を持ち込む形態です。
- ホスティングサービス: 施設に加え、物理的なハードウェアも併せて貸し出す形態です。
問題の表を見ると、B社は機器を設置する必要がなく、アプリケーションの運用から関わっています。これは、物理的な機器を自社で所有・管理しなくて済むホスティングサービスの典型的な利用状況です。
なぜこの知識が必要なのか
企業が情報システムを導入する際、すべてを自社で賄う(オンプレミス)のか、あるいは外部のサービスを活用するのかという意思決定は非常に重要です。
例えば、急激なアクセス増が見込まれるWebサイトを立ち上げる場合、自社でサーバを購入してデータセンターを構築するのは時間もコストもかかります。そこでホスティングサービスを利用すれば、物理的な設備投資を抑え、すぐにビジネスを開始できます。また、より抽象度の高いSaaSを利用すれば、OSのアップデートやサーバの故障対応といった運用管理の手間すら削減可能です。
このように、システムのどこまでを外注し、どこからを自社でコントロールするのかを理解しておくことは、ITを活用した経営戦略を考える上での基礎知識となります。