平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問90 解説 出荷処理のフローチャート
出荷処理において,引当数の求め方を流れ図で表すとき,次の図のc,dに入る適切な字句の組合せはどれか。
- ア
- イ ✓ 正答
- ウ
- エ
解説
この問題は、フローチャートの条件分岐の構造を、業務上のルールと照らし合わせて論理的に埋める問題です。正解にたどり着くには、まずは最初の分岐(c)で大きな分類を行い、次にその先の分岐(d)で在庫の状況を判断するという二段階の思考が必要です。
正解となる選択肢イの組み合わせは、cに「優先注文か」、dに「注文数 ≦ 在庫数 × 0.7」が入ります。
フローチャートの構造を読み解く
このフローチャートは、注文が入った際に、どれだけの数を在庫から引き当てて出荷するかを決定するロジックです。
まず、最初のひし形(c)に注目してください。ここが分岐の入り口です。「優先注文か」を判定し、Yesであればさらに詳細なチェック(d)へ進みます。Noであれば、別の判定を経て処理が決定します。このように、業務の優先度が高い注文を先にフィルタリングするのが、この処理の定石です。
次に、dの分岐です。優先注文であると確定した後に、「注文数が在庫の70%以下であるか」という判定を行っています。ここでYesとなればそのまま注文数を出荷し、Noであれば別のルールが適用されるという構造になっています。
プログラミングと業務ルールの関係
この問題が意図しているのは、実際の業務ロジックをコンピュータが処理できる「条件式」に落とし込む力です。
情報システム開発の現場では、このような「業務ルール」をフローチャートや決定表(デシジョンテーブル)として整理し、プログラムの仕様書を作成します。例えば、優先注文であれば在庫の余裕があるうちに迅速に引き当てを行う一方、通常注文であれば在庫リスクを避けるために判定を厳しくするといった判断基準が、そのまま条件式に反映されます。
特に、在庫の70%という数値は「安全在庫」や「出荷制限」といった物流管理におけるパラメータの一つです。こうした閾値(しきいち)を用いた条件判定は、ECサイトの受注システムから倉庫管理システム(WMS)まで、あらゆるビジネスプロセスで活用されています。
思考のステップ
- 大分類の特定: 最初に「優先注文かどうか」を判定するのは、業務効率上、優先度の高いタスクを先に振り分けるためであると推測します。
- 判定式の妥当性: 優先注文だからといって無制限に引き当てるわけではなく、在庫に十分な余裕(この場合、在庫の70%以下であること)があるかを条件(d)にするのがシステム的に自然です。
- 消去法での確認: 他の選択肢を当てはめた際、論理的に矛盾が生じないかを確認します。注文数が在庫数を超えていても引き当ててしまうような非論理的な条件設定になっていないかをチェックするのがポイントです。
システム開発において、このように「何を基準に条件分岐を作るか」を設計することは非常に重要であり、ITパスポート試験においても、アルゴリズムの基礎として頻出する考え方です。