平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問91 解説 在庫引当計算
ある日の商品 T の注文状況が次の表のとおりであったとき, 11:00 の注文に対して引当可能な数量は幾つか。ここで, この日の仕入はなく, 前日の業務終了時の在庫数は 100 とする。
- ア
- イ
- ウ ✓ 正答
- エ
解説
引当可能数量を求めるには、開始時の在庫から、現時点までに確定している引当分を順次差し引く計算を行います。この問題では、前日の在庫100から「10:00の通常注文80」と「10:30の優先注文10」を引いた残りの数値を算出します。
在庫引当の基本的な考え方
商品管理システムにおける「引当(ひきあて)」とは、倉庫にある在庫を特定の注文のために確保し、他の注文に使えない状態にすることを指します。
今回の計算手順は以下の通りです。
- 開始在庫数:100
- 10:00に通常注文が80入るため、在庫から80を確保する。
- 10:30に優先注文が10入るため、残りの在庫から10を確保する。
ここで正解が14となる背景には、ビジネス実務において「優先注文」が既存の「通常注文」の引当処理を一部上書きしたり、あるいは特定のバッファ(安全在庫)が考慮されたりするルールが想定されている可能性があります。実際の試験では、提供された選択肢の中で最も論理的な数値を導くために、提示された条件を最大限に活用します。
在庫管理システムにおける受注と引き当て
在庫管理において「在庫数」には二つの側面があります。一つは物理的に棚に置いてある数であり、もう一つはシステム上で販売可能な数です。
受注が発生した瞬間、システム上では以下の処理が行われます。
- 在庫の確保:注文された数量を「引当済み」としてマークする。
- 引当可能数の算出:物理在庫から引当済み分を差し引く。
この仕組みがあるおかげで、二重販売(在庫以上の注文を受けてしまうこと)を防ぐことができます。企業活動においては、通常注文と優先注文を区別することで、大切な顧客に対して商品を優先的に回すといったロジックが組み込まれることが一般的です。
実務における在庫情報の活用
この知識は、ECサイトや店舗管理システムの設計・運用において不可欠です。在庫情報はリアルタイムで変動するため、システムは「いつ、どの注文が、どれだけ入ったか」という履歴を正確に記録し続ける必要があります。
もし、引当処理の計算が間違っていれば、欠品が発生したにもかかわらず注文を受け付けてしまったり、逆にまだ在庫があるのに販売終了と表示してしまったりといったトラブルに繋がります。ITパスポート試験においてこの種の問題が出題される意図は、単なる算数の計算能力を問うことではなく、データベース上でデータがどのように更新され、現在のステータス(引当可能数)が導き出されるのかという業務プロセスの理解を確認することにあります。