平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問95 解説 ABC分析の計算式
N社では, 売上構成比率を基準に商品をランク分けし, ランクに応じた仕入, 販 売管理の重点化を図っている。次の条件に従い, 図の商品別販売分析ワークシート を用いて商品のランクを求めるとき, セルJ2に入力する計算式はどれか。 〔条件〕 (1) セルA2~H11の範囲を, 列Bをキーとして降順に整列する。 (2) セルI2に, セルH2の値を複写する計算式を入力する。 (3) セルI3に, 計算式I2+H3を入力し, セルI4~I11に複写する。 (4) ランク分けの基準は, 表のとおりである。
- IF(I2≦0.7,'A',IF(I2≦0.9,'B','C')) ✓ 正答
- IF(I2≦0.9,'C',IF(I2≦0.7,'A','B'))
- IF(I2≧0.7,'A',IF(I2≧0.9,'B','C'))
- IF(I2≧0.9,'C',IF(I2≧0.7,'A','B'))
解説
この問題は、Excelなどの表計算ソフトで使われるIF関数の入れ子(ネスト)構造と、ABC分析のロジックを組み合わせることで解くことができます。正解を導くための鍵は、条件判定の順番を正しく設定することです。
IF関数の条件式を組み立てる手順
今回の問題では、累積売上比率(I列の値)に応じて以下のようにランクを割り当てます。
- 累積比率が 0.7(70%)以下であれば A
- そうでなければ、次に 0.9(90%)以下であれば B
- それ以外(90%超)は C
このロジックをExcelのIF関数に当てはめると、IF(条件1, 真の場合, IF(条件2, 真の場合, 偽の場合)) という形になります。 したがって、 となります。
ABC分析とデータ整列の役割
問題文にある手順(列Bをキーとして降順に整列、累積計算)は、ビジネスの現場でよく行われるABC分析の準備作業です。
ABC分析とは、売上などの重要度が高い順に商品を並べ、累積比率をとることで、どの商品が全体売上の大部分を占めているかを視覚化する手法です。
- Aランク:全体の売上の多くを稼ぎ出す主力商品
- Bランク:中堅の商品
- Cランク:売上の構成比が低い商品
今回の問題のように、売上比率を大きい順に並び替え、その累積値を計算したうえで条件分岐を行うことで、どの商品に経営資源を集中させるべきかを自動的に判定できるようになります。
関数で論理を表現する意義
この問題が示しているのは、単なる関数の使い方ではなく、業務プロセスを「計算可能なルール」へ変換する能力です。
実務において、大量のデータから特定のルールに基づいてフラグを立てたり、カテゴリを分類したりする作業は頻繁に発生します。例えば、顧客データから優良顧客を抽出したり、在庫データから発注すべき商品を選定したりする場面です。
もし条件の判定順序を間違えて、 を先に書いてしまうと、本来ならAランクであるはずの「累積比率が70%以下のデータ」まで「90%以下(B)である」と判定されてしまい、正しいランク付けができません。このように、数値の範囲を絞り込む際は、小さい方から判定するか、あるいは大きい方から判定するかの論理的な順序を意識することが、ミスを防ぐ秘訣となります。