ITパスポート試験 / 平成21年度 秋期 ITパスポート試験 / 問96
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平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問96 解説 重点商品の抽出

今年度の販売戦略立案に当たり, 売上構成比率を売上高上位の商品から順に累計 した売上構成比率累計が70%以内で, 商品回転率が10回以下の商品を抽出し, 商 品回転率の改善を図る重点商品としたい。対象となる商品は何品目あるか。

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解説

抽出条件を整理して表を読み解く

この問題は、データ分析の基本である「複数の条件を組み合わせた絞り込み」を行う能力を問うものです。手順は以下の2ステップです。

  1. 売上高を降順(多い順)に並べ、累計売上構成比率が70パーセントに達するまでの商品グループを特定する。
  2. そのグループの中で、さらに商品回転率が10回以下の商品を探し出す。

試験本番では、提供された表の「売上構成比率累計」の列を確認し、70パーセントを超えていない行をチェックします。次にその行の「商品回転率」の列を見て、10回以下の数値になっているものを数え上げれば答えが出ます。

ABC分析と商品回転率の基礎知識

今回の問題には、マーケティングや在庫管理で非常に重要な2つの概念が含まれています。

ABC分析は、売上全体を構成する要素を寄与度が高い順に並べ、A(上位)、B(中位)、C(下位)のグループに分ける手法です。一般的に売上の70から80パーセントを占める商品をAランクとし、重点管理対象とします。

商品回転率は、ある一定期間内に在庫が何回入れ替わったかを示す指標です。計算式は 商品回転率=売上高(または売上原価)÷平均在庫高商品回転率 = 売上高(または売上原価) \div 平均在庫高 です。この数値が高いほど、在庫が効率よく売れており、投資効率が良いことを意味します。逆に低すぎる場合は、売れ残りが多く、資金が在庫に固定されてしまっている可能性を示唆します。

重点施策のための論理的思考

この問題が求めているのは、やみくもに全商品の改善を目指すのではなく、利益への貢献度が高い(売上上位)にもかかわらず、運用効率が悪い(回転率が低い)商品を特定し、そこに経営資源を集中させるというビジネスの基本戦略です。

思考のプロセスは以下の通りです。

  1. 優先順位の定義: 売上が高いものを優先して改善することで、全体への影響力を高める。
  2. ボトルネックの特定: なぜ売れるのに回転率が低いのか。欠品を防ぐための過剰在庫があるのか、あるいは販売単価の割に在庫量が多いのかといった課題をあぶり出す。
  3. アクションの決定: 重点商品と定義した項目に対して、在庫調整や販売促進を行う。

このアプローチは、限られた予算や時間の中で、最も大きな成果を上げるための効率的な意思決定プロセスそのものです。

業務で役立つデータ分析の視点

実務において、この問題の考え方は在庫管理システムの最適化やECサイトの品揃え戦略に直結します。

たとえば、売れ筋なのに在庫がなかなか減らない商品は「過剰な安全在庫」を抱えている可能性があります。逆に、売れ筋で回転率も高い商品は、欠品のリスクを避けるためにさらに在庫を厚くする必要があるかもしれません。

試験では表形式のデータから特定の数値を読み取る作業となりますが、実際の現場ではこれをデータベースから抽出するクエリ(SQL)を書いたり、Excelのフィルター機能を使って数万件のデータから分析対象を絞り込んだりする作業になります。この問題は、そのようなビジネスデータの活用に向けた第一歩となる非常に実践的なテーマです。

参考リンク

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