平成21年度 春期 ITパスポート試験 問90 解説 LAN障害の切り分け
Mさんは, 障害の原因を追及するため, PC2からプリンタに出力できるかを確認 した。また, PC1とPC2をハブにつないでいるケーブルcとdをハブ側で差し替え た場合, PC2からプリンタに出力できるかも確認した。どちらの場合も, PC2か ら出力できるようであれば, 障害の原因と考えられる構成要素は, LANを構成する PC2, サーバ, プリンタ, ハブとケーブルa〜dの八つの中に幾つあると考えられ るか。
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解説
この問題は、正常に動作している部分を一つずつ特定していく「消去法」で解きます。まず、PC2からプリンタへ出力できるという事実は、その通信経路に関わる機器とケーブルがすべて正常であることを意味します。次に、ケーブルを差し替えても正常に動作し続けることで、さらに特定の構成要素が正常であることを確定させ、最後に残った「まだ正常と判明していない箇所」を絞り込みます。
正常な構成要素を特定する論理
このLANシステムには、PC1、PC2、サーバ、プリンタ、ハブ、ケーブルa、ケーブルb、ケーブルc、ケーブルdという構成要素があります。
- PC2からプリンタへ出力できたとき、通信が通ったルート上の要素はすべて正常です。つまり、PC2、ケーブルd、ハブ、ケーブルb、プリンタの5つは正常であると確認できます。
- 次に、ケーブルcとdをハブ側で差し替えた場合を考えます。このとき、PC2は本来ケーブルcが刺さっていたポートから通信を行うことになります。ここでも出力ができたということは、差し替え後の構成においてもPC2からプリンタまでの通信経路が確保されているため、PC2、ケーブルc、ハブの新しいポート、ケーブルb、プリンタがすべて正常であることがわかります。
これらをまとめると、PC2、プリンタ、ハブ、ケーブルb、ケーブルc、ケーブルdの6つは、テストの結果から正常であると判断できます。
障害原因の候補を絞り込む
問題文には「障害が複数箇所で同時に発生することはない」という前提があります。また、PC1で障害が発生していないことも明記されています。
当初の状況では、PC1からプリンタへの出力ができない状態でした。通信経路は「PC1 - ケーブルc - ハブ - ケーブルb - プリンタ」です。このうち、テストによって以下の要素は正常だと判明しました。
- プリンタ:正常
- ケーブルb:正常
- ハブ:正常
- ケーブルc:正常
- PC1:正常(問題文による指定)
残った要素は「サーバ」のみとなります。もしサーバに障害が発生していれば、今回のすべてのテスト結果と矛盾しません。よって、障害の原因として考えられる構成要素は、サーバの1つだけとなります。
トラブルシューティングの思考法
この問題は、IT現場における切り分け作業のシミュレーションです。システムで障害が発生した際、すべてを一度に調べるのではなく、動いている部分を特定し、動かない部分の範囲を狭めていくことが効率的な解決の鍵となります。
特に「ケーブルを差し替える」というアクションは、特定の部品(この場合はケーブルやハブのポート)が故障しているのか、それとも別の箇所に原因があるのかを特定するための非常に有効な診断手法です。試験では複雑なネットワーク図が出てきますが、落ち着いて「通信経路に含まれるどの要素が正常で、どの要素がまだ疑わしいか」を論理的に整理する姿勢が求められます。