平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問11 解説 フランチャイズチェーン
本部が契約した加盟店に対して,営業権や商標の使用権,出店や運営のノウハウを 提供し,その見返りとして加盟店からロイヤルティを徴収するという関係を有した小 売業態はどれか。
- ア アウトレットストア
- イ アンテナショップ
- ウ フランチャイズチェーン ✓ 正答
- エ ボランタリチェーン
解説
本部からノウハウや看板(商標)を借り、その対価として売上の一定割合などをロイヤルティとして支払う契約形態をフランチャイズチェーンと呼びます。問題文にある「営業権や商標の使用権」「ノウハウの提供」「ロイヤルティの徴収」というキーワードの組み合わせから、正解を導き出すことができます。
本部と加盟店を契約で結ぶフランチャイズの仕組み
フランチャイズチェーンは、親企業である本部(フランチャイザー)と、独立した事業者である加盟店(フランチャイジー)が契約を結ぶことで成り立つビジネスモデルです。
本部は、長年の営業で培ったブランド名や効率的な運営マニュアル、商品の供給体制などを加盟店に提供します。加盟店はそれらを利用することで、未経験であっても知名度のある店をスムーズに開業できるというメリットがあります。このパッケージ化された運営権の対価として支払われるのがロイヤルティです。
身近な例では、コンビニエンスストアやファストフード店、学習塾などが挙げられます。どの店舗に行っても同じサービスが受けられるのは、本部が提供するノウハウやルール(マニュアル)が各加盟店に徹底されているからです。
混同しやすい他の小売業態との違い
試験対策としては、特に選択肢エのボランタリチェーンとの違いを明確にしておくことが重要です。
フランチャイズチェーンが「本部による強い統制」が特徴であるのに対し、ボランタリチェーンは「独立した小売店同士の共同体」です。ボランタリチェーンでは、複数の個人商店などが集まって共同仕入れを行うことで仕入れコストを下げたり、情報交換を行ったりします。加盟店同士の結びつきが横の関係に近く、本部の指示に従うというよりも、お互いの利益のために協力し合うという性質が強くなります。
その他の選択肢についても確認しておきましょう。
アウトレットストアは、メーカーやブランドが在庫品、型落ち品、少しの傷がある商品などを低価格で直接販売する店舗のことです。ブランドイメージを保ちつつ、在庫を効率的に処分する役割を持っています。
アンテナショップは、地方自治体やメーカーが自社の特産品や新商品のPR、消費者の反応を探るマーケティング調査のために設置する実店舗を指します。
ビジネスモデルの理解がITシステム構築の鍵となる
この問題がITパスポート試験で出題される意図は、ITシステムがビジネスモデルを支える重要な基盤となっているからです。
例えば、フランチャイズチェーンを効率的に運用するためには、本部と多数の加盟店をネットワークで結び、販売データ(POSデータ)や在庫情報をリアルタイムで共有するシステムが不可欠です。本部は集まった膨大なデータを分析し、次に売れる商品を予測して各店にフィードバックします。
エンジニアやIT担当者として働く際、顧客企業のビジネスモデルが「強い本部が統制するフランチャイズ」なのか「加盟店の自由度が高いボランタリ」なのかによって、提案すべきシステムの要件やデータの権限管理の考え方は大きく異なります。用語を暗記するだけでなく、その裏側にある情報の流れや利害関係を想像することが、実務に役立つ知識へとつながります。